循環器トライアルデータベース
学会情報
前のページにもどる

8月28日 Hot Line III Late Breaking Trials on Arrhythmias and CAD

The Great East Japan Earthquake Disaster and Cardiovascular Diseases
東日本大震災直後にCVDと肺炎が急増—心肺停止,急性冠症候群はすぐに減少したが,心不全と肺炎は6週間以上増加が持続,心肺停止と脳卒中は1ヵ月後の最大余震直後に再び急増(宮城県の救急搬送記録からの調査)。
 
背景・目的
大きな震災の直後は心血管疾患(CVD)が増加することが報告されているが,中期的な影響は明らかでない。2011年3月11日の東日本大震災(マグニチュード9.0)の経験から,宮城県において大震災がCVDと肺炎の発生に及ぼす影響を調査した。

 
デザイン
後ろ向き調査。

 
対象
12万4,152件。宮城県の全12消防本部の救急搬送記録。

 
期間
追調査期間は2008-‘11年の震災発生日をはさんだ2月11日-6月30日(15週間)。

 
治療
震災前後の5疾患(心不全,急性冠症候群[ACS],脳卒中,心肺停止,肺炎)の週ごとの発生率を調査し,過去3年と比較。震災後の余震も計数し,震度1以上の余震を記録した。

 
結果
5疾患はいずれも震災前の3年間にくらべ,震災直後に急増した。
心不全と肺炎は震災直後の週から急激に増加後,6週以上有意な増加が持続。一方,ACSと心肺停止は急増後,すぐに減少した。
脳卒中と心肺停止は,震災直後と最大の余震(マグニチュード7.0)があった4月11日の2度,ピークを記録した。
震災後の増加は心肺停止がもっとも早く(24時間以内),その後他の疾患の増加が続いた。これらの増加は年齢,性別,地域(沿岸部/内陸部)とは独立して認められた。

 
presenter: H Shimokawa, MD, PhD ( Tohoku University, JP )


前のページにもどる
UP
--------------------
(c) copyright 2001-. Life Science Publishing Co., Ltd
EBM LIBRARY