循環器トライアルデータベース
学会情報
前のページにもどる

8月27日 Hot Line II Late Breaking Trials on Interventions

GARY 
German Aortic Valve RegistrY
大動脈弁疾患に対する侵襲的治療の約28%が経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)。高齢で合併症のある症例が多く,入院中の死亡率は経大腿アプローチが約5%,経心尖アプローチが約8%(ドイツの登録研究)。
 
背景・目的
大動脈弁疾患の標準治療は弁置換術だが,最近,経カテーテル的治療(TAVI)が注目されドイツではすでに実施率30%となっている。ランダム化試験はまだ十分になく,進行中のものが多い。この新しい術式の効果と役割(適応)を登録研究で従来の手術と比較しながら評価する。

[エンドポイント]入院中の死亡。


 
デザイン
前向きコホート研究,多施設。

 
対象
13,860例:TAVI施行例3,875例(経大腿アプローチ例2,694例,経心尖アプローチ1,181例);大動脈弁置換・修復術施行(AVR)例9,985例(CABG非併用6,523例,併用例3,462例)。real-worldでの侵襲的治療(TAVI,AVR)を施行した後天的大動脈弁疾患患者。
■患者背景:平均年齢:TAVI例(経大腿アプローチ例81.0歳,経心尖アプローチ例80.3歳),>75歳(TAVI施行例;86.3%, 84.0%,AVR例;CABG非併用例33.3%,併用例44.9%)。

 
期間
データ収集は2010年に開始,2015年まで継続予定。(今回は2011年の登録患者に関する報告。)

 
方法
TAVI vs AVR 。

 
結果
[エンドポイント]
入院中の死亡率は,TAVI例:経大腿アプローチ例5.1%,経心尖アプローチ例7.7%,AVR例:CABG非併用例2.1%,併用例4.5%。
Euro-Scoreが高い(>20%),あるいは非常に高い(≧30)ものは経大腿アプローチが有用で,死亡率はそれぞれ4.7%,7.7%。

[その他]
入院中の脳卒中はTAVI例(経大腿アプローチ;3.7%,経心尖アプローチ;3.5%)が従来のAVR(2.2%)より多かった。血管合併症は11.9%,2.5% vs 従来の手術例1.0%。一方で,2単位以上の輸血は11.5%,25.4% vs 29.4%。
術後の新規ペースメーカー植え込みは経大腿アプローチ例(23.7%)で経心尖アプローチ例(9.9%),AVR例(4.6%)より有意に多かった。


 
presenter: C.W. Hamm, MD, PhD ( Kerckhoff Heart and Thorax Center Bad Nauheim, DE )


前のページにもどる
UP
--------------------
(c) copyright 2001-. Life Science Publishing Co., Ltd
EBM LIBRARY