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LDL-C 50-125mg/dL・ACS | simvastatin+ezetimibe群 vs simvastatin群 |
6年後のCVD![]() simvastatin+ezetimibe群>simvastatin群* |
コメント | : |
ようやく,ポジティブな結果を示した臨床試験が出たという感動を与えた研究である。同時にそれは,エゼチミブというスタチン以外の薬剤で,初めてスタチンとの併用がスタチン単独使用を上回って,心血管病イベント予防を示したということでもあり,次の二点において画期的な試験と評価されよう。 第一に,LDL-Cについては70mg/dLという目標値を大幅に下回って,約54mg/dLまでは,より強くイベント抑制効果が示されたとともに,それが安全性をもって示されたという点がもっとも大きなインパクトを与えた結果であり,the lower, the betterという概念が改めてサポートされたということである。第二に,スタチン登場以降,初めてスタチン以外の薬剤でイベント抑制効果が示しえたという点も見逃しえない点である。2013年のEBM重視のACC/AHAガイドラインで示された,スタチンだけのガイドラインを見直すべきエビデンスを示したという意味で十分評価すべき試験である。この試験は,次に示されるであろうPCSK9のモノクローナル抗体による治療(ほぼ70%近いLDL-C低下能を持つ)の有効性に大きな期待を持たせる試験といってもいいのではないかと思われる ( ![]() |
デザイン | : | ランダム化,二重盲検,多施設(39か国1,158施設),intention-to-treat解析。 |
一次エンドポイント | : | 心血管死,心筋梗塞(MI),不安定狭心症(UA)による再入院,脳卒中,ランダム化から≧30日の血行再建術の複合エンドポイント。 |
対 象 | : |
18,144例。50歳以上の急性冠症候群(ACS:ST上昇型心筋梗塞[STEMI],非STEMI[NSTEMI]/ UA)による入院から10日以内の高リスク(新規ST変化;トロポニン陽性;糖尿病;MI既往;末梢血管疾患;脳血管疾患;CABG施行から>3年;多枝疾患)症例で,脂質低下治療歴のないLDL-C 50-125mg/dLの患者,または治療歴のある場合は50-100mg/dLの患者。 除外基準:CABG適応のACS;simvastatin 40mgより強力なスタチン治療例;クレアチニンクリアランス<30mL/分,肝疾患など。 ■患者背景:平均年齢64歳,女性(simvastatin+ezetimibe群25%,simvastatin群24%),糖尿病27%,MI既往21%,ACS;STEMI 29%;NSTEMI 47%;UA 24%,ACSからランダム化の日数 中央値5日,LDL-C中央値95mg/dL。 |
期 間 | : | 追跡期間中央値はsimvastatin+ezetimibe群5.9年,simvastatin群6.0年。 |
治 療 | : | simvastatin(40mg/日)+ezetimibe(10mg/日)群(9,067例),simvastatin(40mg/日)群(9,077例)。 LDL-C>79mg/dLの場合は,simvastatinを80mgまで漸増投与。 |
結 果 | : |
一次エンドポイント追跡例は91%,生存追跡例は97%。 simvastatin 80mg増量例はsimvastatin+ezetimibe群6%,simvastatin群27%。
[1年後の脂質値]
[一次エンドポイント]
[安全性] |
▲UP |
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