ARBによる心筋梗塞リスク増大の仮説は否定された。 対照と比較すると,ARBは脳卒中,心不全,新規糖尿病発症リスクを抑制した。 Bangalore S, et al. Angiotensin receptor blockers and risk of myocardial infarction: meta-analyses and trial sequential analyses of 147 020 patients from randomised trials. BMJ. 2011; 342: d2234. PubMed
コメント
・trial sequential analysisの結果 ARBによるMIの相対リスク7.5%(上限信頼限界11%)の上昇(絶対リスク上昇0.3%;number needed to harm [NNH];有害必要数333例)は認められなかった。 ARB群の対照群と比べた相対リスクの上昇(死亡4%,心血管死5%,狭心症15%)はないことが示された。 一方,ARB群での脳卒中の相対リスク7.5%の低下は認められなかったが,プラセボ群と比べた1%以上の低下は認められた。 心不全,新規糖尿病発症は対照群と比べて,それぞれ5%以上,4%以上低下した。 ・感度解析の結果 サブグループ(試験の質:低バイアスリスク vs 高バイアスリスク,対象:高血圧 vs 非高血圧)による顕著な違いはみられなかった。 脳卒中,狭心症,心不全のリスク低下はバイアスリスクの低い試験に比べ高い試験のほうが大きく,心不全,新規糖尿病発症リスク低下は非高血圧患者での検討より高血圧患者でのほうが大きかった。
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