アジア太平洋地域において,血圧上昇による心血管疾患リスクの増大は,前高血圧および孤立性拡張期高血圧を含むすべての高血圧サブタイプで認められた。
Arima H, et al.; on behalf of the Asia Pacific cohort studies collaboration. Effects of prehypertension and hypertension subtype on cardiovascular disease in the Asia-Pacific region. Hypertension. 2012; 59: 1118-23. PubMed
[エンドポイント]
平均追跡期間7年で,心血管イベントは8,598例(2.5%),冠動脈疾患は3,270例(0.9%),脳梗塞は1,503例(0.4%),脳出血は1,015例(0.3%)に発生。
心血管疾患のリスクは,正常血圧にくらべて前高血圧(ハザード比1.41; 95%信頼区間1.31-1.53), IDH(1.81; 1.61-2.04),
ISH(2.18; 2.00-2.37), SDH(3.42; 3.17-3.70)の順に有意に上昇した(正常血圧 vs 前高血圧,前高血圧 vs IDH,ISH
vs SDH:P<0.0001;IDH vs ISH:P=0.0013)。冠動脈疾患,脳梗塞,脳出血のリスクも同様の順に有意に増大した。
[サブグループ]
前高血圧および高血圧のサブタイプと心血管イベントの関係に,男女間差はみられなかった。一方,血圧が心血管リスクに及ぼす影響は,≧65歳よりも<65歳のほうが強く,ANZよりもアジア人のほうが強かった(いずれもP for homogeneity<0.001)。