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アジア太平洋地域における前高血圧,高血圧サブタイプの心血管疾患への影響
meta-analysis

アジア太平洋地域において,血圧上昇による心血管疾患リスクの増大は,前高血圧および孤立性拡張期高血圧を含むすべての高血圧サブタイプで認められた。
Arima H, et al.; on behalf of the Asia Pacific cohort studies collaboration. Effects of prehypertension and hypertension subtype on cardiovascular disease in the Asia-Pacific region. Hypertension. 2012; 59: 1118-23. PubMed

コメント

日本を含むアジア-太平洋地域での大規模なコホート研究で約34万人が登録された貴重な成績である。前高血圧の概念は米国のフラミンガム研究の成果からJNC 7で採用された高血圧カテゴリーであるが,アジア人で行われた本コホート研究でもやはり正常血圧(120/80mmHg未満)に比べると前高血圧患者の心血管リスクは1.41倍高いことが示された。至適血圧120/80mmHg未満の妥当性が人種を問わず証明されたことになる。また孤立性収縮期型高血圧の心血管発症リスクは拡張期単独型高血圧に比べて高いことも示された。高血圧は血管系に対する負荷であり,早期からの対応が必要であることが改めて示された。(桑島

目的 JNC 7が定義する前高血圧(収縮期血圧[SBP]120-139mmHg,拡張期血圧[DBP]80-89mmHg)および孤立性収縮期高血圧(ISH:SBP≧140mmHg,DBP<90mmHg)と収縮期・拡張期高血圧(SDH:≧140/90mmHg)は心血管リスクを増加させることが示されている。しかし,孤立性拡張期高血圧(IDH:SBP<140mmHg,DBP≧90mmHg)の影響は明らかでない。そこで,アジア太平洋地域における前高血圧および高血圧のサブタイプと心血管疾患リスクの関係を詳細に評価するため,Asia Pacific Cohort Studies Collaboration(APCSC)のコホート研究を用いたメタ解析を実施した。
エンドポイントは致死的・非致死的心血管疾患(冠動脈疾患,脳梗塞,脳出血)。
対象 346,570例・36研究。APCSCのコホート研究のうち,参加者の年齢が30-90歳で,ベースライン時の喫煙状況と総コレステロール値が得られたもの。
除外基準:リスク因子の保有状況により参加者を選択した研究。
■患者背景:平均年齢48歳,女性41%,アジア人78%。血圧:正常血圧(<120/80mmHg)38%;前高血圧38%;IDH 6%;ISH 8%;SDH 11%。
方法 APCSCのコホート研究のなかから条件を満たす研究を抽出。
参加者が中国,香港,日本,韓国,シンガポール,台湾,タイで登録されたものをアジア,オーストラリアとニュージーランドで登録されたものをANZ(主に白人)に分類。
結果 [エンドポイント]
平均追跡期間7年で,心血管イベントは8,598例(2.5%),冠動脈疾患は3,270例(0.9%),脳梗塞は1,503例(0.4%),脳出血は1,015例(0.3%)に発生。
心血管疾患のリスクは,正常血圧にくらべて前高血圧(ハザード比1.41; 95%信頼区間1.31-1.53), IDH(1.81; 1.61-2.04), ISH(2.18; 2.00-2.37), SDH(3.42; 3.17-3.70)の順に有意に上昇した(正常血圧 vs 前高血圧,前高血圧 vs IDH,ISH vs SDH:P<0.0001;IDH vs ISH:P=0.0013)。冠動脈疾患,脳梗塞,脳出血のリスクも同様の順に有意に増大した。

[サブグループ]
前高血圧および高血圧のサブタイプと心血管イベントの関係に,男女間差はみられなかった。一方,血圧が心血管リスクに及ぼす影響は,≧65歳よりも<65歳のほうが強く,ANZよりもアジア人のほうが強かった(いずれもP for homogeneity<0.001)。

(収載年月2012.07)
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