直接比較により,indapamideはchlorthalidoneと同様に一般的な処方量でHCTZより降圧効果が高いことが示され,代謝パラメータへの有害な作用は認められなかった。
Roush GC et al: Head-to-head comparisons of hydrochlorothiazide with indapamide and chlorthalidone: antihypertensive and metabolic effects. Hypertension. 2015; 65: 1041-6. PubMed
14試験・883例。収縮期血圧(SBP),代謝パラメータ,心血管イベントを評価項目として,一般的処方量の利尿薬HCTZ,INDAP,CTDNのうち2剤または3剤を比較したRCT。
除外基準:SBPと代謝パラメータを評価した試験のうち,立位血圧のみを評価したもの,追跡期間<2週間または>6か月のもの。
■試験背景:症例数11-524例,追跡期間4-26週,二重盲検7試験,CTDN vs INDAP・心血管イベントを評価した試験はなし。
方法
PubMed,EMBASE,Cochrane Central Register of Controlled Trialsを検索。
利尿薬の用量で各試験を下記の4つに分類:HCTZ高用量(HCTZ>INDAP・CTDN),INDAP高用量(INDAP>HCTZ),CTDN高用量(CTDN>HCTZ),同量(2群の用量が同等)。
結果
[SBP]
・HCTZ群 vs INDAP群(10試験)
HCTZ群にくらべ,INDAP群は平均SBPが有意に低かった(-5.1mmHg;95%信頼区間-8.7--1.6,P=0.004)。試験間の異質性は低く,出版バイアスは認められなかった。
ただし,HCTZ高用量の試験が多かったことから(5試験),INDAP群よりもHCTZ群が良好となるバイアスが認められた。
感度分析では,いずれか1試験の影響も,追跡期間(>4週/≦4週),バイアス(高/低),背景治療の有無による影響も認められなかった。
・HCTZ群 vs CTDN群(3試験)
CTDN群はHCTZ群より平均SBP値が低かった(-3.6mmHg;-7.3-0.0;P=0.052)。出版バイアスは認められなかった。
[代謝パラメータ]
・HCTZ群 vs INDAP群(9試験)
血清K値(群間差-0.1mEq/L;-0.3-0.2,P=0.661),Na値,クレアチニン値,血糖値,コレステロール値,尿酸値に有意な両群間差は認められなかった。