方法 |
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Medline(1950年~2010年3月),Embase(1966年~2010年3月),Cochrane Library databaseにより文献を検索。
検索用語はfibrate, clofibrate, clofibric acid, bezafibrate, gemfibrozil, fenofibrate,
procetofen, mortality, cardiovascular disease, myocardial infarction, revascularisation,
stroke, retinopathy, kidney disease。
主要心血管イベント(心筋梗塞[MI]+脳卒中の複合エンドポイント),冠動脈イベント(MI+冠動脈疾患死の複合エンドポイント),血行再建術,脳卒中,心不全,心血管死,非血管死,全死亡,突然死,新規アルブミン尿,薬剤関連の有害イベントのデータを収集し,変量効果モデルにより相対リスク(RR)を算出。 |
結果 |
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・フィブラート系薬剤によるRRの低下
主要心血管イベント(5試験・2,870件/19,944例): -10%(RR 0.90; 95%信頼区間0.82-1.00,P=0.048)。
冠動脈イベント(16試験・4,552件/44,667例): -13%(0.87; 0.81-0.93, P<0.0001)
非致死性冠動脈イベント(10試験・2,485件/42,131例): -19%(0.81; 0.75-0.89, P<0.0001)
血行再建術(4試験・1,737件/15,834例): -12%(0.88; 0.78-0.98, P=0.025)
アルブミン尿の進行(3試験・3,859件/15,731例): -14%(0.86; 0.75-0.98, P=0.028)
糖尿病性網膜症(2試験・492件/10,091例): -37%(0.63; 0.49-0.81, P<0.0001)
・フィブラート系薬剤によるRRの上昇
脳卒中(8試験・1,391件/27,021例): +3%(1.03; 0.91-1.16, P=0.687)
非血管死(10試験): +10%(1.10; 0.995-1.21, P=0.063)
・フィブラート系薬剤の効果なし
全死亡(16試験・3,880件/44,813例): 0%(1.00; 0.93-1.08, P=0.918)
心臓死(13試験・1,740件): -7%(0.93; 0.85-1.02, P=0.116)
心血管死(6試験・1545件/22,066例): -3%(0.97; 0.88-1.07, P=0.587)
突然死(5試験・596件/12,277例): -11%(0.89; 0.74-1.06, P=0.190)
心不全(3試験・584件/8,581例): -6%(0.94; 0.65-1.37, P=0.759)(VA CO-OP Atherosclerosis
trialを除外した感度解析では-18%, P=0.012)
・有害イベント
フィブラート系薬剤による薬剤関連の有害イベントの有意な増加は認められなかった(4試験・225件/17,413例: 1.21; 0.91-1.61, P=0.19)。
フィブラート系薬剤による血清クレアチニン値の上昇が認められた(1.99; 1.46-2.70, P<0.0001)。
・サブグループ
冠動脈イベントに対する効果を追跡期間(≧5年, <5年),一次予防か否か,平均年齢(≧60歳, <60歳),ベースライン時HDL-C(≧38.7mg/dL,
<38.7mg/dL),LDL-C(≧135.3mg/dL, <135.3mg/dL),TG(≧176mg/dL, <176mg/dL),総コレステロール(≧220mg/dL,
<220mg/dL),糖尿病などのサブグループで解析したところ,高TG例でのフィブラート系薬剤の有効性が大きかった(RR 0.682 vs 低TG例 0.888, P=0.030
for heterogeneity)。
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