[強化vs 通常療法]
1年後のLDL-Cの低下は19.7mg/dL(ベースラインからの低下の加重平均差)。
年間の主要血管イベント発生率は,強化療法群4.5% vs 通常療法群5.3%で,強化療法群でイベントリスクが15%低下した(95%信頼区間11-18%,
P<0.0001)。各イベントリスクの低下は下記の通り:
冠動脈疾患死/非致死的MI:13%低下(7-19%,
P<0.0001)
冠動脈血行再建術:19%低下(15-24%,
P<0.0001)
脳梗塞:16%低下(5-26%,
P=0.005)。
LDL-Cの低下38.7mg/dLあたり,主要血管イベントリスクは28%低下した(22-34%,
P<0.0001)。
[スタチン vs 対照]
1年後のLDL-Cの低下は41.4mg/dL(ベースラインからの低下の加重平均差)。
年間の主要血管イベント発生率はスタチン群2.8% vs 対照群3.6%で,スタチン群ではイベントリスクが22%低下した(19-24%,P<0.0001)。
LDL-Cの低下38.7mg/dLあたりの主要血管イベントリスクの低下は21%(19-23%,P<0.0001)。
[全試験]
LDL-Cの低下38.7mg/dLあたり,1年後の主要血管イベントは22%減少した(20-24%;P<0.0001)。
ベースライン時のLDL-Cはスタチン vs 対照のスタチン非投与群(143.1mg/dL)が強化 vs 通常療法の通常療法群(97.8mg/dL)よりも高かったが,LDL-Cの低下38.7mg/dLあたりの主要心血管イベントリスクの低下率はベースライン時のLDL-Cに依存しなかった(傾向のP=0.3)。また,ベースライン時のHDL-C値の影響も認められなかった(傾向のP=0.7)。
[有害転帰]
全26試験で,全死亡はLDL-Cの低下38.7mg/dLあたり10%低下した(率比[RR]0.90; 0.87-0.93,P<0.0001)。内訳は下記の通り:
冠動脈疾患死:0.80;0.74-0.87*,P<0.0001
その他の心臓死:0.89;0.81-0.98*,P=0.002
脳卒中死:0.96;0.84-1.09
その他の血管死:0.98*;0.81-1.18 * 99%信頼区間
癌死などの非血管死:0.97;0.92-1.03
癌の発症率にはスタチン治療の影響は認められなかった(1.00;0.96-1.04)。
ベースライン時LDL-C低値例におけるLDL-Cの低下と非血管死および癌発症の増加との関連性は認められなかった(それぞれ傾向のP=0.2,P=0.1)。