追跡期間(中央値):22試験(4.8年),5試験(5.1年)。
[主要血管イベント]
LDL-Cの低下によりリスクは有意に低下(LDL-C 38.7mg/dL低下あたりのリスク低下率0.79;95%信頼区間[CI]0.77-0.81,P<0.0001)。これは年齢,性別,LDL-Cベースライン値,血管疾患既往,血管死/全死亡にかかわらず認められた。
主要血管イベントリスクの低下は,推定5年リスクが<10%と低い群(下位2群)でリスクの高い群(上位3群)と同等以上であった(<5%群:0.62;99% CI 0.47-0.81,5%-<10%群:0.69;0.60-0.79,10%-<20%群:0.79;0.74-0.85,20%-<30%群:0.81;0.77-0.86,≧30%群:0.79;0.74-0.84,傾向P=0.04)。
[主要冠イベント,血行再建術]
推定5年リスクが低い群では,主要冠イベント(<5%群:0.57;99% CI 0.36-0.89,P=0.0012,5-<10%群:0.61;0.50-0.74,P<0.0001),血行再建術(0.52;0.35-0.75,0.63;0.51-0.79,ともにP<0.0001)のリスク低下が大きく,これらが両群の主要血管イベントの低下となった。
[脳卒中]
推定5年リスクが<10%と低い群(下位2群)でのリスク低下(≦5%群+5%-<10%群:0.76;99% CI 0.61-0.95;P=0.0012)は高リスク群と同等であった(傾向P=0.3)。
[癌]
LDL-Cの低下による癌(1.00;95% CI 0.96-1.04),癌死(0.99;0.93-1.06),その他の非血管死(0.96;0.92-1.01)の増加は認められなかった。
[サブグループ]
血管疾患の既往のない患者では,スタチンは血管死(0.85;95%CI 0.77-0.95)と全死亡(0.91;0.85-0.97)のリスクをともに抑制した。ベースライン時の主要血管イベントリスク分類による差はみられなかった。
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