[脂質値(3試験)]
軽症-中等症のCKD患者(推算糸球体濾過量[eGFR]≦60mL/分/1.73m²)において,フィブラート系薬剤により総コレステロール(-12.37mg/dL,P=0.05;I ²=48%),トリグリセライド(-49.60mg/dL,P=0.03;I ²=72%),HDL-C(+2.32mg/dL,P<0.001;I ²=0%)は有意に改善。LDL-Cは変化しなかった(-0.39mg/dL,P=0.83;I ²=0%)。
[アルブミン尿]
フィブラート系薬剤により,2型糖尿病患者でアルブミン尿の進展(3試験;相対リスク0.86;95%信頼区間0.76-0.98,P=0.02;I ²=63%),アルブミン尿の退縮(2試験;1.19;1.08-1.31,P=0.0005;I ²=0%)ともに有意に改善した。
[腎関連転帰]
フィブラート系薬剤により血清クレアチニンは上昇し(3試験;0.37mg/dL,P<0.001),eGFRは低下したが(3試験:-2.67mL/分/1.73m²,P=0.01),末期腎疾患リスクへの影響は認められなかった(2試験:0.85;0.49-1.49,P=0.575)(すべてI ²=0%)。
[主要心血管イベント(2試験:12,326例)]
5年の追跡で主要心血管疾患1,970件,心血管死377例,脳卒中467例,全死亡1,097例。
eGFR 30~59.9mL/分/1.73m²の患者では,フィブラート系薬剤により主要心血管イベント(0.70;0.54-0.89,P=0.004)と心血管死(0.60;0.38-0.96,P=0.032)のリスクが低下したが(ともにI ²=0%),全死亡と脳卒中のリスクは低下しなかった。
[有害事象]
データは限られるが,安全性の問題は認められなかった。
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