[脂質値の変化]
統合した平均脂質値は,試験開始時がLDL-C:123.2-126.8mg/dL,non-HDL-C:154.2-156.9mg/dL,apoB:101.8-104.3mg/dLで,alirocumab群と対照群間に有意差はなかった。治療期間中の達成平均脂質値は,プラセボ対照試験においてはalirocumab群56.9mg/dL(ベースラインからの低下率−55.4%),プラセボ群126.5mg/dL(+2.7%),ezetimibe対照試験では,alirocumab群64.0mg/dL(-48.1%),ezetimibe群100.9mg/dL(-18.0%)。
LDL-C<50mg/dLに到達したものは33.1%(プラセボ対照試験:alirocumab群52.6%,プラセボ群0%,ezetimibe対照試験:alirocumab群44.7%,ezetimibe群6.5%)。
non-HDL-C,apoBも同様の低下がみられた(non-HDL-C:それぞれ82.0mg/dL[-46.9%],156.0mg/dL[+2.6%],91.1mg/dL[-40.3%],128.5mg/dL[-16.8%],apoB:57.1mg/dL[-45.5%],104.1mg/dL[+2.2%],64.9mg/dL[-35.9%],89.2mg/dL[-12.0%])。
[達成LDL-CとMACE]
初発のMACEは104例(中央値36週後),うちCAD死20例,非致死的MI 64例,虚血性脳卒中16例,不安定狭心症4例。
達成LDL-C低値例はMACEのリスクが低かった(LDL-C 39mg/dL低下ごとにリスクは24%低下:調整HR 0.76;95%信頼区間0.63-0.91,P=0.0025)。
non-HDL-C(42mg/dL低下ごとのHR 0.77;0.65-0.93,P=0.0056),apoB(27mg/dL低下ごとのHR 0.72;0.60-0.86,P=0.0002)も,達成低値とリスク低下に強い関係がみられた。
[LDL-C低下率とMACE]
LDL-C低下率とMACEは逆相関し,LDL-C 50%低下によりリスクは29%低下した(0.71;0.57-0.89,P=0.003)。
Non-HDL-C,apoBも同様に50%低下でMACEのリスクがそれぞれ29%,32%低下した(Non-HDL-C:0.71;0.52-0.97,P=0.0323,apoB:0.68;0.54-0.85,P=0.0008)。
[安全性]
治療に伴う有害事象(TEAE),重篤なTEAE(プラセボ対照試験:alirocumab群16.6%,プラセボ群17.2%;ezetimibe対照試験:alirocumab群17.0%,ezetimibe群13.9%),TEAEによる死亡(0.7%,1.1%;0.7%,1.5%),TEAEによる治療中止(6.2%,5.7%;9.7%,10.7%)に,alirocumab群と対照群間に有意差はなかった。
注射部位反応は大半が患者が制御できる軽度なものであったが,alirocumab群で多かった。
LDL-C 39mg/dL低下(オッズ比1.02;95%信頼区間0.96-1.09),50%低下(1.02;0.93-1.13)に伴うTEAEの有意な増加はみられなかった。
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