解析は10,150例(女性3,075例,男性7,075例)。
12ヵ月間の死亡,MI,ACSによる入院(複合エンドポイント)は侵襲的治療群1,075例/5,083例(21.1%)vs 保存的治療群1,313例/5,067例(25.9%):オッズ比(OR)0.78(95%信頼区間0.61〜0.98)。
保存的治療群と比べた侵襲的治療群の各ORは,死亡:0.97(0.71〜1.32),非致死的MI再発:0.84(0.63〜1.12),死亡/MI:0.92(0.69〜1.23),ACSによる再入院:0.68(0.55〜0.84)。
・男女別結果
複合エンドポイント:女性709例/3,075例(23%)vs 男性1,679例/7,075例(24%)。
侵襲的治療 vs 保存的治療のOR:女性0.81(0.65〜1.01)vs 男性0.73(0.55〜0.98)で,男女間に有意に不均質性はなかった(P for interaction=0.26)。
個々のイベントでみると,ACSによる再入院が侵襲的治療群で男女とも有意に抑制された。一方で,同治療の女性における死亡,非致死的MI,死亡/MIの抑制効果はみられなかった。
男性では非有意ながら,侵襲治療群で死亡,非致死的MI,死亡/MIのリスクが低下した。
死亡:1.11(0.72〜1.70)vs 0.89(0.58〜1.35),非致死的MI:0.93(0.59〜1.45)vs 0.81(0.59〜1.11),死亡/MI:1.02(0.67〜1.55)vs 0.87(0.61〜1.23),ACSによる再入院:0.68(0.54〜0.85)vs 0.66(0.54〜0.82)。
・高リスクサブグループ(バイオマーカー[クレアチンキナーゼMB,トロポニン]上昇例)
性にかかわらず,複合エンドポイントの侵襲的治療 vs 保存的治療のORは,0.59(0.51〜0.69)vs 非上昇例0.79(0.58〜1.06)で,侵襲的治療群が有効であった。
死亡/MIのリスクは侵襲的治療群で32%有意に低下(OR 0.68;0.56〜0.82)したが,マーカー非上昇群では低下しなかった(1.01;0.79〜1.28):P for interaction=0.03。
[男性]
侵襲的治療群は保存的治療群に比べ複合エンドポイントが有意に低下(0.56;0.46〜0.67),死亡/MIも抑制した(0.64;0.51〜0.81)。しかし,マーカー非上昇例では侵襲的治療の有意な有効性はみられなかった(0.72;0.51〜1.01):P for interaction=0.09。
[女性]
複合エンドポイントは侵襲的治療群で33%有意に低下(0.67;0.50〜0.88)し,男性でみられた有効性と同様であった。一方で,マーカー非上昇例では,不均質性は有意でなかったが(P for interaction=0.36),侵襲的治療の明白な有効性はみられなかった(0.94;0.61〜1.44)。
死亡/MIは有意ではないが同群で低下(0.77;0.47〜1.25)したが,非上昇例では有意ではないものの35%上昇した(1.35;0.78〜2.35);P for interaction=0.08。
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