加重平均追跡期間は21.7ヵ月。
[ステント血栓症]
ステント血栓症が発生しなかった2試験を除く11試験を解析。
EESはEES以外のDESに比べ有意に抑制した。
EES群72/9,655例(0.7%) vs 非EES群112/7,230例(1.5%):相対リスク0.55;95%信頼区間0.38-0.78(P=0.001),絶対リスク差:-0.5%(EES群が有意に抑制);-1.0%-0.0%(P=0.04)。
試験間に異質性はみられなかった(heterogeneity P=0.26)。
[MI,TVR,心臓死]
・MI:EES群はEES以外のDES群に比べ有意に抑制した。
282/9,764例(2.9%) vs 289/7,337例(3.9%):0.78;0.64-0.96(P=0.02),-0.7%(EES群が非有意に抑制);-1.5%-0.1%(P=0.08)。
試験間に異質性はみられなかった(heterogeneity P=0.18)。
・TVR:EES群はEES以外のDES群に比べ有意に抑制した。
559/9,764例(5.7%) vs 563/7,337例(7.7%):0.77;0.64-0.92(P=0.004),-1.5%;-2.6%--0.4%(P=0.009)。
試験間に異質性がみられた(heterogeneity P=0.05)。TVRが最も有意に抑制されたのは,ACS例が多かったCOMPARE試験(vs PES)で,この試験を除外すると,相対リスク0.83;0.73-0.93(P=0.001)で,試験間の異質性はなくなった(heterogeneityP=0.44)。
・心臓死:両群間に有意差はなかった。
153/9,540例(1.6%) vs 142/7,111例(1.9%):0.92;0.74-1.16(P=0.38),-0.1%;-0.5%-0.2%(P=0.41)。
試験間に異質性はみられなかった(heterogeneity P=0.78)。
[その他の結果]
・変量効果,定量効果モデル,clopidogrel 6ヵ月,12ヵ月投与,追跡期間の差(≦1年,>1年)による各エンドポイントに対するEES群の有効性は一貫していた。しかし,ステント血栓症(heterogeneity P=0.03),TVR(heterogeneity P=0.007),MI(heterogeneity P=0.006)には対照DESによる差がみられた。各エンドポイントに対するEESによるリスク低下はPESが対照の場合が最も大きく,ZESが対照の場合に中等度,SESの場合は最も小さかった。
・加重線形解析によると,ベースライン時のリスクが大きい例でEES群のステント血栓症に対する絶対ベネフィットが増加した(R²=0.89,P<0.001)。度合いは小さいが同様の関連がMI,TVRでもみられた。
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