ステント血栓症:薬剤溶出性ステントとベアメタルステント
meta-analysis
第一/第二世代DES,BMSのなかで,植込み後2年以内のステント血栓症リスクはコバルトクロムeverolimus溶出ステントがもっとも低い(ネットワークメタ解析)。
Palmerini T, et al. Stent thrombosis with drug-eluting and bare-metal stents: evidence from a comprehensive network meta-analysis. Lancet. 2012; 379: 1393-402. PubMed
目的 |
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薬剤溶出性ステント(DES)とベアメタルステント(BMS)のステント血栓症に関する相対的な安全性については,いまだ議論が続いている。ステント血栓症は発生率そのものが低いことから,ステント間の差を正確に推定するためには大規模なサンプルが必要である。そこで,FDAに承認されているsirolimus溶出ステント(SES),paclitaxel溶出ステント(PES),コバルトクロムeverolimus溶出ステント(CoCr-EES),プラチナクロムeverolimus溶出ステント(PtCr-EES),ホスホリルコリンベースzotarolimus溶出ステント(PC-ZES),Resolute zotarolimus溶出ステント(Re-ZES)のランダム化比較試験(RCT)を用いたネットワークメタ解析*により,第一世代DES,第二世代DES,BMSのステント血栓症リスクを比較した。
一次エンドポイントは1年後のARC定義によるdefiniteステント血栓症。
* ステントAとステントBを比較するにあたって,A,Bを直接比較する試験だけでなく,ステントAとステントCおよびステントBとステントCを比較する試験を用いて,間接的にステントAとステントBを比較することも含めたメタ解析。 |
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対象 |
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50,844例・49試験*。2~3種類のDES間またはDES vs BMSの比較を行ったRCT。
* CoCr-EES vs PES: SPIRIT II-IVなど5試験, CoCr-EES vs SES: RESET, SORT
OUT IVなど6試験, CoCr-EES vs Re-ZES: RESOLUTE, TWENTE, CoCr-EES vs BMS: EXAMINATION,
BASKET PROVE, PES vs BMS: HORIZONS-AMI, TAXUSなど8試験, SES vs BMS: SIRIUSなど8試験,
SES vs PES: SORT OUT II, SIRTAX LATEなど8試験, PES vs SES vs PC-ZES: ZESTなど3試験, SES
vs PC-ZES: SORT OUT IIIなど3試験, その他: ENDEAVOR-II, -IV, PLATINUMなど4試験。 |
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方法 |
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Medline, Cochraneデータベース, Embase, TCTMD, ClinicalTrials.gov, Clinical Trial Results, CardioSource, 国際学会の抄録と発表を検索。検索用語は "randomized clinical trial", "drug-eluting stent", "everolimus-eluting stent", "paclitaxel-eluting stent", "sirolimus-eluting stent", "zotarolimus-eluting stent", "bare metal stent"。言語,出版日,出版状態の制限は設けず。 |
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結果 |
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[一次エンドポイント]
1年後のdefiniteステント血栓症リスク(49,969例・解析対象46試験)は,CoCr-EESが他のステントにくらべて有意に低かった。また,SESはBMS,PC-ZESよりも有意に低かった。
CoCr-EES vs BMS: オッズ比0.23;95%信頼区間0.13-0.41
CoCr-EES vs PES: 0.28; 0.16-0.48
CoCr-EES vs SES: 0.41; 0.24-0.70
CoCr-EES vs PC-ZES: 0.21; 0.10-0.44
CoCr-EES vs Re-ZES: 0.14; 0.03-0.47
SES vs BMS: 0.57; 0.36-0.88
PC-ZES vs SES: 1.92; 1.07-3.90
[二次エンドポイント]
・早期(≦30日)のdefiniteステント血栓症のリスク(45,418例・39試験)は,CoCr-EESがBMS(0.21; 0.11-0.42), PES(0.27; 0.14-0.51), SES(0.40; 0.21-0.79), Re-ZES(0.07; 0.00-0.46). PC-ZES(0.22; 0.09-0.54)よりも有意に低く,SESはBMSよりも低かった(0.54; 0.30-0.90)。PtCr-EESはBMS,PES,Re-ZES,PC-ZESよりも有意に低かった。
・遠隔期(31日~1年後)のdefiniteステント血栓症リスク(41,611例・33試験)は,CoCr-EESがBMS(0.27; 0.08-0.74), PES(0.24; 0.08-0.62), PC-ZES(0.13; 0.02-0.56)よりも有意に低く,PC-ZESはSESよりも高かった(4.06; 1.11-18.54)。
・超遠隔期(1~2年後)のdefiniteステント血栓症リスク(23,429例・19試験)は,CoCr-EESがPESよりも有意に低かった(0.26; 0.09-0.78)。
・2年後(26,156例・24試験)のdefiniteステント血栓症リスクはCoCr-EESがBMS(0.35; 0.17-0.69), PES(0.34; 0.19-0.62)よりも有意に低かった。
・definiteまたはprobableステント血栓症の結果は,definiteステント血栓症とほぼ同様であった。
[感度分析]
ST上昇型心筋梗塞または糖尿病患者,ステント血栓症の発生率が低いアジアでの試験を除いても,CoCr-EESは他のステントよりも一次エンドポイント発生率が低かった。
[出版バイアス]
funnel plotからsmall study effectや出版バイアスは認められなかった。
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(収載年月2012.06)
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