[ステント血栓症]
ステント血栓症のリスクはS-DAPT群がL-DAPT群より有意に高かった(0.9% vs 0.5%:オッズ比1.71;95%信頼区間1.26-2.32,P=0.001)。
このリスクの差は,DAPT短縮検証試験(1.20;0.77-1.88)でDAPT延長検証試験(2.22;1.55-3.17)より弱まった(交互作用P=0.044)。
試験間の異質性も,小規模試験の影響も認められなかった。
[ステント世代別の層別解析]
ステントレベルのデータが得られたのは,第二世代DESは6試験,第一世代DESは3試験で,DAPTの平均重み付け曝露期間はS-DAPT群でそれぞれ7.8ヵ月,10.9ヵ月,L-DAPT群で20.3ヵ月,28ヵ月。
S-DAPT群のL-DAPT群と比較したステント血栓症リスクは,第二世代DES(1.54;0.96-2.47)で,第一世代DES(3.94;2.20-7.05)にくらべ減弱した(交互作用P=0.008)。
[出血]
臨床的に重大な出血の定義は試験間で異なった(GUSTO基準:1試験,BARC基準3または5の出血:1試験,TIMI大・小出血:4試験,TIMI大出血のみ:2試験)。
臨床的に重大な出血の発生率はS-DAPT群のほうが低く(1.2% vs 1.9 %:0.63;0.52-0.75,P<0.001;試験間の異質性P=0.953),DAPT短縮検証試験とDAPT延長検証試験の解析結果も変わらなかった。
[その他]
S-DAPT群のL-DAPT群に対する標準化イベント率の差は,臨床的に重大な出血は-0.45/100人・年,ステント血栓症では0.21/100人・年。
MI発症率はS-DAPT群が有意に高く(2.6% vs 1.9%:1.39;1.20-1.62,
P<0.001),脳卒中(1.0% vs 0.9%),心血管死(1.3% vs 1.4%)は両群で同等,全死亡率はS-DAPT群が低い傾向であった(2.0% vs 2.2%:0.87;0.74-1.01,P=0.073)。
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