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薬剤溶出性ステントとベアメタルステントの長期安全性
network meta-analysis

3.8年(中央値)の追跡後,すべての薬剤溶出性ステント(DES)でベアメタルステントを上回る有効性が認められた。第二世代DESでは第一世代DESにくらべ長期の安全性と有効性が大幅に改善した。
Palmerini T, et al. Long-term safety of drug-eluting and bare-metal stents: evidence from a comprehensive network meta-analysis. J Am Coll Cardiol. 2015; 65: 2496-507. PubMed

コメント

第一世代DESはBMSより再狭窄率が低下したが,ステント血栓症(ST)の発生率が高かった。このため,第二世代DESが登場し実臨床で汎用されているが,長期的に見ても第一世代DESやBMSとくらべて安全で有用であることを5万人以上4年間観察のメタ解析で示したのがこの研究である。ネットワークメタ解析を用いている限界は常にあるが,結果の大部分は予想通りで臨床現場でのDES選択に大きな変化は来たさないが,第二世代DES間での少しの相違は興味深い。すなわち,CoCr-EESはdefinite STがBESよりも,TVRがPC-ZESよりも有意に少ない結果であり,CoCr-EESの安全性・有用性を認めているが,CoCr-EESとPtCr-EESでは差は認めていない。同じZESでもRe-ZESの方がPC-ZESよりも短期間では良いとの報告もあるが,今回の長期追跡では差はみられずプラットフォームによる違いは明らかではなかった。
生体吸収ポリマーを装着するBESは遠隔期STを減らすことを期待されたが,他の第二世代DESと安全性・有用性に差はなく,CoCr-EESよりもdefinite STが逆に多い結果であった。CoCr-EESはフッ化ポリマーを用いており,血小板粘着/活性化や血栓症を生じにくいとする実験結果と一致する。EVOLVE IIの結果からは,単に生体吸収ポリマーの吸収スピードの問題ではないと考えられる。各試験でDAPTの期間が異なるのは当然であるが,今回の結果に大きく左右するかは不明である。第一世代よりも第二世代DESで遠隔期STが少ないのは,ステントの内皮化によりストラットが覆われ炎症を生じにくくフィブリンの沈着が少ないこと,ステントのフラクチュアや不完全圧着が少ないことに由来すると考えられる。第二世代DES間では心臓死や心筋梗塞発生率に差はみられないので,どの第二世代DESを用いても臨床的に大差はないと考えたい。(星田


目的 第一世代薬剤溶出性ステント(DES)の超遠隔期ステント血栓症(ST)に対する懸念などを解決すべく材質やポリマーの生体適合性などを改良した第二世代DESは,複数の試験やメタ解析で第一世代DES,ベアメタルステント(BMS)と比較した高い安全性が示されている。しかし2年を超える追跡データはほとんどなく,第二世代DESの長期安全性と有効性の検討は十分ではなかった。
その後,長期(~6年)追跡結果がいくつか報告されたことから,追跡期間3年以上の試験のみを対象としたネットワークメタ解析により,各種DESとBMSの長期安全性および有効性を比較した。
一次エンドポイントはAcademic Research Consortium(ARC)の定義によるdefinite ST。
方法 MEDLINE,Cochrane,EMBASE,Transcatheter Cardiovascular Therapeutics(TCT),Clinical Trials,Clinical Trial Results,American College of Cardiology(ACC)のウェブサイト,主要な国際学会の抄録と発表を検索した。ベイズ法によるネットワークメタ解析を実施。
結果 追跡期間中央値3.8年。
[ST]
・definite ST
CoCr-EESはBMS(ハザード比[HR]0.48; 95%確信区間0.29-0.82), PES(0.42; 0.27-0.64), SES(0.41; 0.26-0.64), BES(0.58; 0.31-1.00)よりリスクが低く,PC-ZESはSESより低かった(0.55; 0.36-0.93)。
・definite/probable ST
CoCr-EESはBMS(0.50; 0.33-0.73),PES(0.48; 0.34-0.65),SES(0.52; 0.35-0.72)より低く,PC-ZESはSESより低く(0.68; 0.48-1.00),BESはBMS(0.56; 0.32-0.95),PES(0.53; 0.31-0.89),SES(0.58; 0.35-0.92)より低かった。
・超遠隔期(>1年)のST
definite STリスクは,PES(2.00; 1.00-4.10)とSES(2.90; 1.50-6.30)がBMSより高く,CoCr-EESがPES(0.47; 0.18-0.89),SES(0.31; 0.11-0.64)より,PC-ZESはPES(0.18; 0.05-0.47),SES(0.12; 0.04-0.27)より低かった。またBESはSESより低かった(0.35; 0.13-0.78)。
definite/probable STの結果もほぼ同様であった。

[臨床転帰]
下記において有意差が認められた。
死亡:CoCr-EES vs BMS(0.81; 0.64-1.00),vs PES(0.81; 0.68-1.00),vs SES(0.86; 0.70-1.00)。
心臓死:CoCr-EES vs BMS(0.71; 0.54-0.91),PC-ZES vs BMS(0.73; 0.55-1.00)。
心筋梗塞:CoCr-EES vs BMS(0.66; 0.52-0.85),vs PES(0.64; 0.52-0.78),vs SES(0.78; 0.64-0.95);PC-ZES vs BMS(0.77; 0.60-0.96),vs PES(0.74; 0.58-0.93);Re-ZES vs PES(0.63; 0.41-0.98);SES vs PES(0.82; 0.68-0.99)。
TVR:すべてのDES vs BMS; CoCr-EES vs PES(0.69; 0.57-0.82),PtCr-EES vs PES(0.58; 0.34-0.98),SES vs PES(0.76; 0.66-0.88),BES vs PES(0.69; 0.53-0.90); CoCr-EES vs PC-ZES(0.80; 0.62-1.00)。

(収載年月2015.12)
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