結果 |
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4,393例のうち,1,104例(25.1%)が糖尿病を有していた。
[一次エンドポイント:5年死亡率]
糖尿病患者の5年死亡率は158/1,104例(14.7%)で,非糖尿病患者297/3,289例(9.3%)にくらべ高かった(P<0.001)。補正後HR 1.62,95%CI 1.32–2.00,P<0.001。
これはおもに心血管死発生率が高かったことによるが[94/1,104例(9.0%) vs 158/3,289例(5.1%),補正後HR 1.78,95%CI 1.35–2.34,P<0.001],非心血管死発生率も同様に高かった[63/1,104例(6.2%) vs 133/3,289例(4.4%),補正後HR 1.47,95%CI 1.06–2.05,P=0.022]。
[糖尿病患者と非糖尿病患者の比較]
糖尿病患者は非糖尿病患者に比べ,以下の5年発生率が高かった。
自然発症心筋梗塞:67/1,104例(6.7%) vs 114/3,289例(3.7%),P<0.001。
血行再建術再施行:189/1,104例(18.5%) vs 410/3,289例(13.2%),P<0.001。
[PCIとCABGの比較]
5年の全死亡について,糖尿病の有無による差異は認められなかった(交互作用P=0.87)。
糖尿病患者:PCI施行84/563例(15.3%) vs CABG施行74/541例(14.1%),HR 1.11,95%CI 0.82-1.52。
非糖尿病患者:PCI施行155/1,634例(9.7%) vs CABG施行142/1,655例(8.9%),HR 1.08,95%CI 0.86-1.36。
5年の自然発症心筋梗塞および血行再建術再施行については,糖尿病の有無にかかわらず,PCI施行例のほうが高かった。
自然発症心筋梗塞(交互作用P=0.47):糖尿病患者45/563例(8.9%) vs 22/541例(4.4%),非糖尿病患者82/1,634例(5.3%) vs 32/1,655例(2.1%)。
血行再建術再施行(交互作用P=0.18):糖尿病患者127/563例(24.5%)vs 62/541例(12.4%),非糖尿病患者254/1,634例(16.3%) vs 156/1,655例(10.1%)。
糖尿病患者は非糖尿病患者に比べ,特に1年後以降の自然発症心筋梗塞(4.9% vs 2.1%,交互作用P=0.047)および血行再建術再施行(9.9% vs 4.3%,交互作用P=0.016)のリスクが高かった。
PCI施行例における1年以内の脳卒中発症率はCABG施行例に比べ低く(HR 0.37,95%CI 0.19–0.69),それは糖尿病の有無によらず一貫していた(交互作用P=0.51)。
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