amiodraone投与により心臓突然死(SCD)のリスク,心血管疾患死リスクが低下。ICD不適応例あるいは非植込み例ではSCD予防が期待できるが,amiodraoneに総死亡抑制効果はなく,肺や甲状腺への毒性リスクが2~5倍に増大する。
Piccini JP, et al. Amiodarone for the prevention of sudden cardiac death: a meta-analysis of randomized controlled trials. Eur Heart J. 2009; 30: 1245-53. PubMed
MEDLINE(1966~2007年)で“randomized controlled trial”と“amiodarone”で検索。さらにCochrane Controlled Trials Register,米国食品医薬品局(FDA) website,米国国立研究所(NIH)が管轄している臨床試験登録サイトclinicaltrials.govで,amiodaroneのSCD予防結果を発表しているRCTを調べた。最後に6つのレビュー,システマティック・レビューの一覧で引用試験をハンドサーチした。
メタ解析に組み入れる研究の選別はQuality of Reporting of Meta-analyses (QUOROM)ガイドラインに従った。
結果
・死亡例は1607例で,SCDは715例。
amiodaroneは,SCD(7.1% vs 9.7%:オッズ比0.72;95%信頼区間0.61-0.84,P<0.001)と心血管死(14.0% vs 16.3%:0.82;0.71-0.94,P=0.004)は有意に抑制した。
総死亡については抑制の傾向(18.1% vs 19.6%:0.87;0.75-1.02,P=0.093)を示したが,心不全死は抑制しなかった(0.92;0.76-1.12,P=0.408)。
以上より,amiodaroneによるSCDを1例予防するためのNNTは38例,心血管疾患死のNNTは42例となる。
・非心血管疾患死については有意な効果は認められなかった(1.17;0.94-1.45,P=0.169)。
・amiodaroneの投与中止例は1206/4260例(28.7%)。
肺毒性2.9% vs 1.5%:1.97;1.27-3.04(P=0.002)・number needed to harm(NNH:有害作用必要数)69例,甲状腺毒性3.6% vs 0.4%:5.68;2.94-10.98(P<0.001)・32例,肝毒性1.85% vs 0.7%:2.10;1.15-3.82(P=0.015)・87例,徐脈性不整脈2.8% vs 1.5%:1.78;1.16-2.72(P=0.008)・81例。肝毒性1.85% vs 0.7%:2.10;1.15-3.82(P=0.015)・87例,徐脈性不整脈2.8%
vs 1.5%:1.78;1.16-2.72(P=0.008)・81例。