結果 |
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[全死亡,死因別死亡のdescriptive analysis]
134,046例・年の追跡で,死亡は6,206例(9%)でDOAC群3,579例,warfarin群2,627例。うち血管死は64%(DOAC群,warfarin群いずれも64%),心臓死46%(それぞれ47%,44%),突然死・不整脈死が28%(29%,27%),次いで心不全死15%,心筋梗塞死3%。全死亡の5.7%が虚血性脳卒中/SE,5.6%が出血関連死。一方,非血管死は30%(31%,28%)で,悪性腫瘍による死亡11%(12%,10%),感染による死亡9%(9%,8%),不明が6%(5%,8%)であった。
年間の平均死亡率は4.63%/年(3.99-5.32)であったが,試験間に有意な異質性がみられた(P<0.0001,I ²=95.5%)。
死因別年間死亡率は,心臓死:2.07%/年(95%信頼区間1.55-2.68%/年),非血管死:1.37%/年(1.18-1.57%/年)。出血関連死は0.27%/年(0.19-0.35%/年),虚血性脳卒中/SEは0.26%/年(0.20-0.32%)。
抗凝固薬による年間死亡率は,DOAC群4.46%/年(3.85-5.12%/年) vs warfarin群4.87%/年(4.15-5.64%/年)で,死因の主な違いは致死的出血であった(0.19%/年[0.13-0.26%/年] vs 0.38%/年[0.28-0.49%/年])。
[患者背景]
死亡例は生存例とくらべ有意に高齢で(+3.2歳),クレアチニンクリアランスが低く(-9.9mL/分),男性(オッズ比1.24)・CHF既往(1.75)・糖尿病(1.37)・永続性/持続性AF(1.38)が多く,VKA使用歴が少なかった(0.88)。
[死因別死亡におけるDOAC群とwarfarin群の違い]
全死亡に対するDOAC群はwarfarin群とくらべ相対リスク差において有効性が認められた(リスク比0.90;95%信頼区間0.86-0.95)。血管死(0.89;0.84-0.95)も同様で,両群間差は主にDOAC群の致死的出血(出血性脳卒中,その他の頭蓋内外出血)の低下によった。しかし,出血性血管死(0.49;0.40-0.61),非出血性血管死(0.95:0.89-1.01)には有意な異質性がみられた(P<0.00001,I ²=97%)。
DOAC群による全死亡抑制は,42例/10,000例・年で,年間1例の死亡を予防するためにはwarfarinに代えDOACで約238例治療する必要がある。
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