結果 |
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[SBPの変化]
SBP≧110-115mmHg 上昇例は1990年の18億7,000万人から2015年には34億7,000万人に,≧140mmHgのものは4億4,200万人から8億7,400万人に増加した。
1990-2015年の25年間で,≧110-115mmHgの成人は10万人当たり73,119人(95% uncertainty interval[不確実区間:UI]67,949-78,241)から81,373人(76,814-85,770)に,また≧140mmHgのものも17,307人(17,117-17,492)から20,526人(20,283-20,746)に増加した。
[SBP関連の死亡]
さらに,SBPに関連した年間推定死亡率も上昇した(≧110-115mmHg:1990年;135.6人[122.4-148.1]→2015年;145.2人[130.3-159.9]/10万人,≧140mmHg:97.9人[87.5-108.1]→106.3人[94.6-118.1]/10万人)。SBP≧110-115mmHg例増加に関連した年間推定死亡数は720万人から1,070万人に増加し,年間1.6%上昇した。
≧140mmHgは≧110-115mmHg関連死の73.2%を占め,全死亡におけるPAFは14.0%。
[SBP関連のDALY]
SBP≧110-115mmHg関連による損失DALYは,1990年の1億4,800万年(1億3,400万-1億6,200万)から2015年には2億1,100万年(1億9,300万-2億3,100万)に,≧140mmHg関連は9,590万年(8,700万-1億490万)から1億4,300万年(1億3,020万-1億5,700万)に増加した。
≧110-115mmHg関連DALYの29%がSBP 115-140mmHg例,26%は140-150mmHg例,45%が≧150mmHg例。
[死因別SBP関連死]
≧140mmHg関連死の41%(95%UI 35.9-45.4%)はCVDに関連した。
どの血圧レベルでももっとも多かったのは,虚血性心疾患死(490万例[400万-570万];PAF 54.5%),次いで出血性脳卒中死(200万例[160万-230万;58.3%]),虚血性脳卒中死(150万例[120万-180万];50.0%)。
[年齢,性別]
死亡およびDALYは加齢とともに増加した。年齢による増加は25-29歳から始まり(≧110-115mmHg関連男性DALYは250万年,女性は110万年),80歳以上まで増加した(それぞれ1,100万年,1,560万年)。75歳以降を除き,総健康損失は女性より男性のほうが大きかった。≧60歳では健康損失の>66%がSBP≧140mmHg例で,25-29歳ではCVDの30%が≧140mmHg例だった。
[国別のSBP≧110-115mmHgに関連するDALY]
年齢標準化DALY比率には地域,国により大きな開きがあった(アジア太平洋高所得地域:1,025.66年-オセアニア:7,022.18年)。
2015年のSBP≧110-115mmHgに関連するDALY全体の半数以上を中国,インド,ロシア,インドネシア,米国が占めていた。
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