・主要心血管イベント(心血管死,非致死的MI,非致死的脳卒中の複合)
(女性)2,680例発生し,clopidogrel群,プラセボ群間に有意差はなかった(11.0% vs 11.8% : オッズ比0.93 ; 95%信頼区間0.86-1.01)。
(男性)4,704例発生し,clopidogrel群はプラセボ群に比べ有意に16%抑制した(7.8% vs 9.0% : 0.84 ; 0.78-0.91)。
男女間に弱い不均一の傾向がみられたが(P=0.092),統計的な有意には至らなかった。
・死亡率
(女性)死亡は2,069例でclopidogrel群でのリスク低下はみられなかった(8.7% vs 8.8% : 0.99 ; 0.90-1.08)。
5試験中4試験の死因を解析したが,clopidogrelと心血管死とに関連は認められなかった(1.04 ; 0.86-1.25)。
(男性)死亡は3,197例で,clopidogrel群で全死亡リスクが有意に9%低下した(5.4% vs 6.0% : 0.91 ; 0.84-0.97)。心血管死のリスク低下も同等であった(0.92
; 0.80-1.06)が,有意な低下ではなかった。
男女間に異質性は認められなかった(P=0.158)。
・MI
(女性)766例発症(2.9% vs 3.6% : 0.81 ; 0.70-0.93)。MIリスクが低下したどの試験もclopidogrel投与と関連していた。
(男性)1,729例発症(2.8% vs 3.4% : 0.83 ; 0.76-0.92)。
男女間に異質性は認められなかった(P=0.733)。
・脳卒中
(女性)399例発症し,clopidogrel群でリスクが低下したものの有意ではなく(1.6% vs 1.9% : 0.91 ; 0.69-1.21),病型別では脳梗塞(0.89
: 0.71-1.12),脳出血(1.2% vs 1.4%
: 0.82 ; 0.29-2.32)。
(男性)739例発症し,clopidogrel群はプラセボ群より有意に低下し(0.83 ; 0.71-0.96),病型別にみると脳梗塞は有意に16%低下(0.84
; 0.71-0.99),脳出血は有意差はなかった(0.95 ; 0.66-1.36)。
男女間に異質性は認められなかった(P=0.552)。
・重大な出血(各試験の定義に拠る)
(女性)333例発生し,clopidogrel群で有意にリスクが増大した(1.7% vs 1.2%
: 1.43 ; 1.15-1.79)。重大な出血リスクが増大したいずれの試験でもclopidogrel投与と関連した。
(男性)683例発生し,clopidogrel群で有意にリスクが増大した(1.3% vs 1.1%
: 1.22 ; 1.05-1.42)。
男女間に異質性は認められなかった(P=0.243)。
・サブグループ解析
[ACS例におけるオッズ比]
主要心血管イベント
: (女性)0.93 ; 0.85-1.01,(男性)0.83 ; 0.74-0.93,全死亡
: 0.99 ; 0.90-1.09,0.89
; 0.82-0.97,MI
: 0.80 ; 0.68-0.94,0.82 ; 0.73-0.91,脳卒中
: 0.80 ; 0.45-1.45,0.83 ;
0.68-1.00,重大な出血
: 1.50 ; 1.14-1.97,1.18 ; 0.96-1.44。
[心血管疾患例におけるオッズ比]
主要心血管イベント
: (女性)0.93 ; 0.85-1.01,(男性)0.84 ; 0.78-0.92,全死亡
: 0.98 ; 0.89-1.07,0.90 ; 0.83-0.96,MI
: 0.81 ; 0.70-0.94,0.82 ; 0.74-0.90,脳卒中
: 0.92 ; 0.67-1.27,0.81 ; 0.69-0.94,重大な出血
: 1.43 ; 1.14-1.79,1.19 ; 1.02-1.40。 |