循環器トライアルデータベース
HOME
トライアル検索
フリーワード検索
*検索について
トライアル名検索
1 4 5
A B C D E F
G H I J K L
M N O P Q R
S T U V W X
Y Z
疾患分類検索
薬効分類検索
薬剤名検索
治療法検索
キーワード検索
掲載トライアル一覧
学会情報
meta-analysis, pooled analysis
日本のトライアル
Trial Review
用語説明
Topic
開設10周年記念座談会
開設5周年記念座談会
AHA2012/ISH2012特別企画
このサイトについて
ライフサイエンス出版のEBM関連書籍
meta-analysis, pooled analysis
← meta-analysis, pooled analysis のトップページへもどる
PCI施行例における新規P2Y12阻害薬 vs clopidogrel
meta-analysis

新規P2Y12阻害薬はclopidogrelに比べてPCI後の死亡を有意に抑制。リスク/ベネフィット比は特にPCIを施行したST上昇型心筋梗塞例で良好であった。
Bellemain-Appaix A, et al. New P2Y12 inhibitors versus clopidogrel in percutaneous coronary intervention: A meta-analysis. J Am Coll Cardiol. 2010; 56: 1542-51. PubMed

コメント

clopidogrel(クロピドグレル)を超える薬効を期待して,prasugrel(プラスグレル),ticagrelor(チカグレロー)などの新規P2Y12阻害薬が開発された。過去に施行されたランダム化比較試験の結果がメタ解析された。
新規P2Y12阻害薬は血栓イベントを減少させたが,出血イベントも増加した。本メタ解析のポイントは死亡に注目し,死亡の減少を示したことである。単一試験とは異なるので結論は必ずしも容易ではないが,究極のハードエンドポイントである死亡で差がないことを示した価値はある。(後藤


目的 clopidogrelのようなチエノピリジン系薬剤は,aspirinへの追加投与により主要有害心イベント(MACE)を抑制することから,PC施行に併用する抗血栓療法に不可欠となっている。しかし,PCI実施例におけるclopidogrelの死亡抑制効果は未だ示されていない。新規に開発されたP2Y12阻害薬はclopidogrelよりも強力に阻害し,かつ効果発現が迅速というPCIに適した特徴を有する。これまでにPCI施行例を中心としたST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者,非ST上昇型急性冠症候群患者などを対象とした試験でP2Y12阻害薬の有効性が検討されてきたが,個々の試験レベルでは検出力の不足からclopidogrelよりも有意に優れた死亡抑制効果を立証することはできなかった。そこで,PCI実施例,とくにSTEMI患者において新規P2Y12阻害薬の死亡抑制効果をclopidogrelと比較するメタ解析を行った。
対象 48,599例。冠動脈疾患患者(PCI実施例>70%)において新規経口P2Y12阻害薬とclopidogrelを比較したランダム化試験で,死亡および出血データが報告されたもの8試験*
* prasugrel1) 3試験(JUMBO,PRINCIPLE-TIMI 44,TRITON[-STEMI含む]),cangrelor2) 2試験(CHAMPION PLATFORMCHAMPION PCI[-STEMI含む]),ticagrelor3) 2試験(PLATO[-STEMI,-Invasive含む],DISPERSE2),elinogrel4) 1試験(ERASE MI)。
1) 経口プロドラッグ・非可逆的にP2Y12受容体を阻害
2) 静注・直接可逆的にP2Y12受容体を阻害
3) 直接可逆的にP2Y12受容体を阻害し,プレイオトロピック作用がより大きい可能性が期待されている
4) 静注および経口・直接可逆的にP2Y12受容体を阻害
方法

MEDLINEおよびCochrane Controlled Trials Registerデータベース(1980-
2010年1月)を検索。検索用語は,new P2Y12,PCI,clopidogrel,prasugrel,ticagrelor,cangrelor,elinogrel。言語制限なし。関連試験,レビュー,エディトリアル,letterの参考文献一覧,フルテキスト,サブ解析,学会抄録をすべて含めた。

結果

・コホート全体
エンドポイントの解析において有意な異質性は認められなかった。
P2Y12阻害薬は死亡を有意に抑制したが(オッズ比0.83;95%信頼区間0.75-0.92,P<0.001),TIMI大出血は有意に増加した(1.21;1.05-1.4,P=0.009)。

・PCI施行例(42,198例)
P2Y12阻害薬はclopidogrelに比べて死亡(0.85;0.75-0.96,P=0.008),MACE(0.87;0.79-0.95,P=0.003),ステント血栓症(0.60;0.44-0.81,P<0.001)を有意に抑制したが,大出血のリスクは増加した(1.23;1.04-1.46,P=0.01)。

・PCIを施行したSTEMI患者(13,028例)
P2Y12阻害薬はclopidogrelに比べて死亡を有意に抑制したが(0.78;0.66-0.92,P=0.003),大出血には群間差は認められなかった(0.98;0.85-1.13,P=0.76)。primary PCI(発症後24時間以内)を実施したSTEMI患者のみの解析でも同様の結果が得られた。最大規模のPLATO試験,cangrelor投与例を除外して行った感度分析でも,結果は変わらなかった。


▲pagetop
    --------------------
© 2001-. Life Science Publishing Co., Ltd
 
携帯版 EBM LIBRARY