循環器トライアルデータベース
HOME
トライアル検索
フリーワード検索
*検索について
トライアル名検索
1 4 5
A B C D E F
G H I J K L
M N O P Q R
S T U V W X
Y Z
疾患分類検索
薬効分類検索
薬剤名検索
治療法検索
キーワード検索
掲載トライアル一覧
学会情報
meta-analysis, pooled analysis
日本のトライアル
Trial Review
用語説明
Topic
開設10周年記念座談会
開設5周年記念座談会
AHA2012/ISH2012特別企画
このサイトについて
ライフサイエンス出版のEBM関連書籍
meta-analysis, pooled analysis
← meta-analysis, pooled analysis のトップページへもどる
一般住民における推算糸球体濾過量(eGFR),アルブミン尿と全死亡,心血管死との関連。
collaborative meta-analysis

一般住民において,eGFR<60mL/分/1.73m2および尿中アルブミン/クレアチニン比≧10mg/gは,死亡の独立した予測因子。
Matsushita K, et al.; Chronic Kidney Disease Prognosis Consortium. Association of estimated glomerular filtration rate and albuminuria with all-cause and cardiovascular mortality in general population cohorts: a collaborative meta-analysis. Lancet. 2010; 375: 2073-81. PubMed

コメント

eGFRが60mL/分/1.73m2と尿中アルブミン/クレアチニン比が全死亡の独立した危険因子であるというのは,現在の慢性腎臓病の基本的な考え方を裏付けるものである。(桑島


目的 eGFRとアルブミン尿を慢性腎臓病(CKD)の定義や病期の判定に用いることについては議論がわかれており,さまざまな提案がなされている。一般住民においてそれらと臨床転帰との関連を評価した研究は複数あるが,ほとんどはどちらか一方の測定であり,年齢特異的な関連性は検討されておらず,推算糸球体濾過量(eGFR)値の層別が大まかである。そこで,eGFRおよびアルブミン尿と死亡との関係を詳細に検討するメタ解析を実施した。
対象 123万4,182人(21の一般住民コホート研究参加者):尿中アルブミン/クレアチニン比(ACR)を測定した14研究*(10万5,872例;73万577人・年),尿試験紙により尿蛋白を測定した7研究**112万8,310 例(473万2,110人・年)。
一般住民1,000例以上を対象とした研究で,ベースライン時のeGFR値および尿中アルブミン値が得られており,全死亡,心血管死のいずれかを評価項目とし,発生イベント数が50件以上であったもの。アルブミン尿の評価法としてはACRを採用したが,尿中アルブミン排泄量または尿試験紙による定性的評価も可とした。
*ARIC,AusDiab,CHS,Framingham Heart Study,HUNT,PREVEND,NHANES III,REGARDSなど。
**AKDN,ESTHER,Ohasama(大迫研究),Severanceなど。
方法

2009年8月に,1966~2009年7月に発表された研究をPubMedで次の用語で検索した。“(eGFR OR GFR OR glomerular filtration rate OR kidney function OR renal function) AND (albuminuria OR albumin to creatinine ratio OR ACR OR urinary albumin concentration OR UAC OR dipstick) AND (mortality OR ESRD OR end stage renal disease OR progressive chronic kidney disease OR acute kidney injury) AND adult [MeSH]) AND Humans [MeSH])”。
言語制限なし。選択された文献の参考文献も調査。共同研究者,泌尿器科医,循環器疫学研究者との協議により,その他の研究および未発表データも探索。
eGFR(mL/分/1.73m2)は<15,15-29,30-44,45-59,60-74,75-89,90-104,≧105,ACR(mg/g)は<10,10-29,30-299,≧300,尿試験紙は陰性,痕跡(±),+,≧++に層別して解析。ハザード比はeGFR(mL/分/1.73m2) 15,45,60,75,90,95,105,120とACRの各分類を組み合わせ,eGFR 95mL/分/1.73m2+ACR<30mg/gまたは尿試験紙陰性/±をreferenceとして算出。

結果

ACRを測定した14研究の統合解析で,eGFR 75-105mL/分/1.73m2では死亡リスクとの関連はみられなかったが,<75mL/分/1.73m2ではeGFRが低いほど死亡リスクは上昇した。eGFR 95 mL/分/1.73m2と比較すると,全死亡の調整ハザード比はeGFR 60 mL/分/1.73m2;1.18(95%信頼区間1.05-1.32),eGFR 45 mL/分/1.73m2;1.57(1.39-1.78),eGFR 15 mL/分/1.73m2;3.14(2.39-4.13)であった。心血管死についても同様の結果が得られた。
ACRは死亡リスクとlog-logスケールで直線的な関係を示し,閾値効果は認められなかった。ACR 5mg/gと比較すると,全死亡の調整ハザード比は,ACR 10mg/g;1.20(1.15-1.26),30mg/g;1.63(1.50-1.77),300mg/g;2.22(1.97-2.51)であった。心血管死についても同様の結果が得られた。

eGFR<60 mL/分/1.73m2では,どのACRレベルでも死亡リスクとの同様の関係が認められたことから,eGFRとACRはいずれもCKDの定義と進展度のリスク評価に対して相乗的数値データを示すものである。
ほとんどの研究でeGFRとACRの交互作用は報告されなかった。
試験紙により尿蛋白を測定した研究についても,結果は同様であった。


▲pagetop
    --------------------
© 2001-. Life Science Publishing Co., Ltd
 
携帯版 EBM LIBRARY