4,023例・年(平均1.4年/患者)の追跡で,VTE再発は312件(7.8%/100例・年;95%信頼区間6.9-8.7),治療終了後0-6ヵ月:12.2%/100例・年;10.5-14.2,7-24ヵ月:5.5%/100例・年;4.7-6.5。
[抗凝固療法期間とVTE再発リスク]
治療終了後24ヵ月の再発リスクは,治療期間1.0または1.5ヵ月群で3ヵ月以上群に比べ高く(ハザード比[HR]1.52;1.14-2.02,P=0.004),3ヵ月群と6ヵ月以上の群では同等であった(1.19;0.86-1.65,P=0.29)。
治療期間1.0または1.5ヵ月群での再発リスク上昇は治療終了後0-6ヵ月に限られ(2.12;1.43-3.15,P<0.001),7-24ヵ月では治療期間3ヵ月以上群と同等であった(1.05;0.69-1.59,P=0.83)。
[VTE初発部位とVTE再発リスク]
治療終了後24ヵ月の再発リスクは遠位側限局DVT例で低かった(近位側DVT例に対するHR 0.49;0.34-0.71,P<0.001;PE例と比較0.41;0.27-0.63,P<0.001)。
PE例での再発リスクは,治療終了後0-6ヵ月では近位側DVT例より高かったが(1.65;1.12-2.43),7-24ヵ月では同等であり(0.74;0.43-1.25),全追跡期間(24ヵ月)も同等であった(1.19;0.87-1.63,P=0.27)。
[リスク因子による誘発の有無とVTE再発リスク]
一時的な誘発リスク因子により誘発されたVTE例では,特発性VTE例に比べ再発リスクが低かった(0.55;0.41-0.74,P=0.0001)。
遠位側限局DVTは,誘発例で再発の絶対リスクが低く(2.0/100例・年;1.0-3.8),治療期間1.0,1.5ヵ月群と3ヵ月以上群のリスクは同等であったが(0.36;0.09-1.54,P=0.17),特発例では絶対リスクが高く(8.1/100例・年;5.7-11.6),治療期間1.0,1.5ヵ月群は3ヵ月以上群に比べリスクが高かった(2.30;1.05-5.03,P=0.04)。
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