追跡期間(中央値)はアジア人6.6年,非アジア人8.3年。
[単独低HDL-C血症の有病率]
低HDL-C血症はアジア人の33.1%(95%信頼区間32.9-33.3),非アジア人の27.0%(26.5-27.5)に認められた(P<0.001)。単独低HDL-C血症はアジア人のほうが非アジア人よりも多かった(22.4%[22.2-22.5] vs 14.5%[14.1-14.9],P<0.001)。
[CAD,脳卒中との関連性]
6.8年の追跡で,CADは574例(アジア人42%),脳卒中は739例(76%)。
・CAD
他の脂質異常症を伴う低HDL-Cは,HDL-C正常にくらべてCADのリスクが高かった(ハザード比1.57;95%信頼区間1.31-1.87)。この関係は性別,アジア人/非アジア人,喫煙状況を問わず認められた。
アジア人における単独低HDL-C血症とCADリスクとの関係(1.67[1.27-2.19])は,非アジア人(0.79[0.54-1.14])よりも強く(地域の交互作用P=0.016),他の脂質異常症を伴う低HDL-C血症(1.63[1.24-2.15])と同程度であった。
・脳卒中
性別,喫煙状況,地域を問わず,脳卒中と他の脂質異常を伴う低HDL-C血症(0.95[0.78-1.17]),単独低HDL-C血症(0.81[0.67-1.00])との有意な関連性は認められなかった。
[臨床的特徴]
性別や地域を問わず,低HDL-C血症はHDL-C正常にくらべてBMIと腹囲が大きく,糖尿病患者が多かった。血圧と喫煙状況はHDL-C値とは関連しなかった。
[二次解析]
WHOまたはEGIRの低HDL-C血症の定義を用いた場合も,結果は変わらなかった。
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