[出血の発生]
各定義に基づく出血の発生は,BARC:1,233例(9.9%,うちBARC class 2以上は679例[5.4%]),TIMI大出血+小出血:374例(3.0%),REPLACE-2大出血:491例(3.9%)。
[出血イベントと死亡率]
死亡はPCI後30日に54例(0.4%),1年後に340例(2.7%)。
死亡リスクは出血例で1年後まで上昇し続けた(いずれの定義でも非出血例と比較してP<0.001)。
[死亡の予測因子]
出血イベントは他の変数と独立して1年間の死亡と関連し,多変量Cox比例ハザードモデルにおける調整後ハザード比は,BARC class 2以上:2.72(95%信頼区間2.03-3.63),BARC class 3以上:3.19(2.34-4.35),TIMI大出血+小出血:3.64(2.62-5.07),REPLACE-2大出血:3.14(2.30-4.29);すべてP<0.001。
[出血の定義による予測値の比較]
1年後の死亡予測の感度,特異度,精度は,BARC class 2以上:18.5%,94.9%,92.8%,BARC class 3以上:15.0%,96.3%,94.1%,TIMI大出血+小出血:12.6%,97.3%,94.9%,REPLACE-2大出血:14.7%,96.4%,94.1%。
1年後の死亡率についての多変量モデルの予測能は,各定義による出血を含めることにより出血を含めないモデルに比して有意に改善したが,調整後AUCおよびIDIに出血定義による有意差はなかった。
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