[イベントの発生]
12ヵ月間の複合エンドポイントはDM合併例30.5% vs 非合併例20.3%(死亡:9.3% vs 3.2%,非致死的MI:11.3% vs 7.1%,ACSによる入院:18.1% vs13.0%;すべてP<0.001)。
[糖尿病と転帰の関係]
侵襲的治療の保存的治療と比較した複合エンドポイントの相対リスクは,DM合併例(0.87;95%信頼区間0.73-1.03)と非合併例(0.86;0.70-1.06)で差はなかった(交互作用のP=0.83)。
非致死的MIのリスクは,DM合併例で侵襲的治療により低下したが(0.71;0.55-0.92),非合併例では低下しなかった(0.98;0.74-1.29,交互作用のP=0.09)。非致死的MIの絶対リスク低下はDM合併例のほうが大きかった(3.7% vs 0.1%;交互作用のP=0.02)。
DM合併の有無を問わず,侵襲的治療によりACSによる再入院リスクは25%低下したが(交互作用のP=0.68),死亡リスクは低下しなかった(交互作用のP=0.87)。
[イベント発生時期]
複合エンドポイントのリスクは,侵襲的治療群で早期(退院前)にDM合併・非合併いずれの症例でも上昇し(DM例:1.27;0.85-1.88,非DM例:1.38;0.99-1.92,交互作用のP=0.80),退院後は死亡,MIは減少傾向にあった(0.78;0.57-1.08,0.77;0.55-1.07,交互作用のP=0.72)。
[バイオマーカーの影響]
DM非合併例では,バイオマーカーが高い症例では侵襲的治療の効果が高かったが(0.68;0.55-0.84),バイオマーカー陰性症例では侵襲的治療の効果は認められなかった(1.17;0.89-1.54,交互作用のP=0.006)。一方,DM合併例ではバイオマーカーの影響はみられなかった。
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