結果 |
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[eGFRとVTE]
599,453人・年の追跡で,1,178例がVTEを発症。うちunprovoked(原因不明)が45%,肺塞栓症単独あるいは深部VTEの併発が39%。
VTEのリスクは,eGFR 100mL/分/1.73m²と比較して,≦88mL/分/1.73m²の範囲で有意に高く,eGFRの低下に伴い増加した(eGFR 75mL/分/1.73m²:ハザード比1.29[95%信頼区間1.04-1.59];60mL/分/1.73m²:1.31[1.00-1.71];45mL/分/1.73m²:1.82[1.27-2.60];30mL/分/1.73m²:1.95[1.26-3.01])。
[ACRとVTE]
ACR 5.0mg/gと比較すると,VTEのリスクはACRの増加に伴い有意に増加した(30mg/g:1.34[1.04-1.72];300mg/g:1.60[1.08-2.36];1,000mg/g:1.92[1.19-3.09])。
また,Kidney Disease Outcomes Quality Initiative(K/DOQI)の病期分類によりeGFR,ACRを層別してVTEリスクを推定した結果,eGFRが低くACRが高いグループでVTEリスクの明らかな倍増は見られず,eGFRとACRとの有意な交互作用は認められなかった(P=0.20)。
[CKDとVTE]
CKD患者(eGFR<60mL/分/1.73m²またはACR≧30mg/g)はCKDでない人にくらべ,VTEリスクが有意に高かった(1.54[1.15-2.06];I ²=64.3%;P=0.024)。
年齢,性別,合併症,VTE(unprovokedか否か)によるサブグループ解析で,結果は変わらなかった。
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