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肺高血圧患者において6分間歩行距離の変化はイベントを予測するか?
meta-analysis

肺高血圧患者において,6分間歩行距離の改善は臨床転帰の改善を反映しない。
Savarese G, et al: Do changes of 6-minute walk distance predict clinical events in patients with pulmonary arterial hypertension? A meta-analysis of 22 randomized trials. J Am Coll Cardiol. 2012; 60: 1192-201. PubMed

コメント

6分間歩行負荷は心不全や肺高血圧の臨床試験でしばしば用いられる評価項目である。臨床イベントの発症を予測するものでなくてはならないが,肺高血圧における臨床イベントを予測するものであるか明らかでなかった。報告されている肺高血圧治療薬の無作為化試験の結果から,6分間歩行負荷とアウトカムの関係をメタアナリシスの方法で検討した。治療薬群では,全死亡,肺高血圧による入院,肺移植などの臨床イベントが減少したが,6分間歩行負荷の変化とアウトカムには関係がなかった。6分間歩行負荷は肺高血圧治療薬の承認申請に国内でサロゲートエンドポイントとして多く用いられており,日本人を対象とした臨床試験結果の解釈に影響を与える論文である。(中村・中野・永井


目的 肺高血圧(PAH)患者において,運動能力の評価指標である6分間歩行距離(6MWD)は合併症および死亡の独立した予測因子であり,臨床試験のエンドポイントに使用されてきた。しかし,6MWDの変化が臨床イベントの変化を反映するかを検証した研究はこれまでなかった。これを検証することは,PAH患者における6MWDの臨床的意義を評価する一助ともなる。
PAH患者において治療による6MWDの変化と臨床イベントの関連性を評価したランダム化比較試験(RCT)のメタアナリシスを行った。
エンドポイントは,全死亡,PAHによる入院かつ/または肺・心肺移植,PAH救済治療の開始の複合エンドポイント。
対象 22研究*・3,112例(実薬群:1,968例,対照群1,144例)。ベースライン時および追跡終了時の6MWDとエンドポイントが報告されている,実薬とプラセボまたは実薬の異なる用量とを比較したRCT。
* Badeschら(ホスホジエステラーゼ[PDE]5阻害薬sildenafil),PPHSG(PGI2アナログepoprostenol),STRIDE-1,-2(エンドセリン受容体拮抗薬sitaxsentan,bosentan),ALPHABET(PGI2アナログberaprost),ARIES-1,-2(エンドセリン受容体拮抗薬ambrisentan),PHIRST(PDE5阻害薬tadalafil)など。
■試験背景:平均追跡期間14.5週,平均年齢58.2歳,女性76.1%。
方法 MEDLINE,Cochrane,ISI Web of Science,SCOPUS を検索(~2011年8月)。
結果 [エンドポイント]
複合エンドポイントは,実薬治療により有意に減少した(オッズ比0.400;95%信頼区間0.313-0.510,P<0.01;異質性P=0.345)。
全死亡(0.429;0.277-0.664,P<0.01;異質性P=0.796),PAHによる入院,肺・心肺移植(0.442;0.309-0.632,P<0.01;異質性P=0.838),PAH救済治療の開始(0.555;0.347-0.889,P=0.01;異質性P=0.648)も同様に減少した。

[6MWDの変化とエンドポイントの関連性]
メタ回帰分析で,6MWDの変化と複合および個別イベントとの関連は認められなかった。肺血行動態の変化が報告された12研究においては,6MWDの変化と肺血管抵抗の変化との有意な相関が認められた(r=-0.630,P=0.009)。

[感度分析]
6MWDの変化とPAHによる入院かつ/または肺・心肺移植の関係には,ベースライン時の6MWDが影響を及ぼしたが(P=0.042),その他の個別イベントおよび複合エンドポイントとの関係については有意な影響は認められなかった。
PDE5阻害薬投与群では,6MWDの変化とPAHによる入院かつ/または肺・心肺移植に関連が認められた(P=0.048)。

[出版バイアス]
複合エンドポイント,個別のイベントともに検出されなかった。

(収載年月2013.04)
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