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糖尿病患者における身体活動量と死亡,CVDの関連
meta-analysis

糖尿病患者において,身体活動量の多さは全死亡,CVDリスクの大きな低下と関連。ただし少ない活動量でも活動しないよりはリスクは低下する。
Kodama S et al: Association between physical activity and risk of all-cause mortality and cardiovascular disease in patients with diabetes: a meta-analysis. Diabetes Care. 2013; 471-9. PubMed

コメント

運動療法はある一定量以上の時間と強度をもって行うことが重要とされてきたが,少ない量でも用量依存性に死亡率,CVD発症を抑制することが示されたことは画期的と考えたい。(弘世貴久


目的 糖尿病患者では,習慣的身体活動と全死亡および心血管疾患(CVD)が関連することが示唆されている。身体活動量とこれらのリスク低下との関係を,用量反応性に焦点を当てて検証する。
対象 17研究*。身体活動量と全死亡またはCVDの関係を評価したコホート研究で,運動介入を行っていない前向き/後ろ向きコホート研究,対象者全例が糖尿病,全死亡/CVDが独立したエンドポイント,身体活動量最大群と最小群を比較した相対リスク(RR)またはオッズ比(OR)が報告されている,もしくは算出可能のもの。
* このうち1研究は後ろ向き,1研究は対象全例が1型糖尿病。
方法 MEDLINE(1950-2011年9月),EMBASE(1974-2011年9月)を検索。検索された論文の参考文献も調査。言語制限なし。
全死亡(13研究)とCVD(12研究)は個別にメタ解析を実施したが,身体活動の種類は問わなかった。各研究の身体活動量最大群と最小群を比較したRRの対数値(log RR)を分散逆数重み付け法でプールし,pooled RRを算出(定性的評価)。さらに年齢,性別,追跡不能例を含むか否か,古典的リスク因子の調整の有無などによる層別解析を行った。また,身体活動量の定量化が可能な研究については,1日の平均活動量を抽出して「MET-時」に標準化し,身体活動量とリスクの関係を対数線形回帰モデルおよび制限3次スプライン回帰モデル(restricted cubic spline regression model)により定量的に評価した。
結果 [定性的評価]
身体活動量の最大群は最小群にくらべて全死亡リスク(pooled RR 0.60[95%信頼区間0.52-0.70]),CVDリスク(0.71[0.60-0.84])ともに有意に低かった。ただし,研究間で身体活動量の最大および最小の定義は異なっており,各研究のlog RRには有意な異質性が認められた(全死亡,CVDともにP<0.001)。
層別解析でもリスクの低下は全般的に認められたが,とくに顕著だったのは追跡不能例を除外した研究(全死亡:P<0.001,CVD:P=0.006)で,全死亡では対象が≧60歳の研究(P=0.03),CVDでは古典的リスク因子で調整した研究(P=0.003)であった。
全死亡については有意な出版バイアスの可能性が示されたが(Begg and Egger検定P=0.04),CVDでは認められなかった。

[定量的評価]
対数線形回帰モデルの適合度は,全死亡(調整後R²=0.44,P=0.001),CVD(調整後R²=0.51,P=0.001)ともに高く,身体活動量が1MET-時/日増加するごとに,全死亡リスクは9.5%(5.0-13.8%),CVDリスクは7.9%(4.3-11.4%)低下した。スプライン回帰モデルの適合度も高く,線型モデルの適合度との有意差は認められなかった(全死亡リスク:P=0.14,CVDリスク:P=0.60)。

(収載年月2013.07)
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