10年間で,末梢動脈疾患(PAD)の有病率は全世界で23.5%増加。2010年の推定患者数は2億200万例,うち約7割が低-中所得国。おもな危険因子は喫煙,糖尿病,高血圧。
Fowkes FG, et al. Comparison of global estimates of prevalence and risk factors for peripheral artery disease in 2000 and 2010: a systematic review and analysis. Lancet. 2013; PubMed
[有病率]
有病率は所得や性別を問わず,加齢に伴い増加した。
高所得国ではPAD有病率に男女間差はみられなかった(45-49歳:女性5.28% vs 男性5.41%)。一方,低-中所得国では85-89歳までは女性のほうが男性よりも有病率が高かったが,その差は加齢に伴い縮小した(45-49歳:6.31% vs 2.89%,85-89歳:15.22% vs 14.94%)。
女性の有病率は60-64歳までは低-中所得国のほうがわずかに高かったが,それ以降は高所得国のほうがわずかに高かった。男性では一貫して高所得国のほうが高かった。
[危険因子]
所得水準を問わず,PADの危険因子は喫煙(高所得国:現喫煙のmeta-OR 2.72[95%信頼区間2.39-3.09],低-中所得国:1.42[1.25-1.62];低-中所得国とくらべた高所得国のP<0.0001),糖尿病(1.88[1.66-2.14] vs 1.47[1.29-1.68];P=0.009),高血圧(1.55[1.42-1.71] vs 1.36[1.24-1.50];P=0.06),高コレステロール血症(1.19[1.07-1.33] vs 1.14[1.03-1.25];P=0.54)であった。