[有効性の一次エンドポイント]
48時間後の全死亡+MI+虚血による再血行再建術+STは,cangrelor群で有意に低下した(473例[3.8%] vs 579例[4.7%]:オッズ比0.81;95%信頼区間0.71-0.91,P=0.0007)。
30日後の結果も同様であった(5.3% vs 6.1%:0.87;0.78-0.97,P=0.0099)。
[安全性の一次エンドポイント]
解析対象は25,107例。
48時間後のCABGに関連しないGUSTO基準による重度の出血には,有意な群間差は認められなかった(0.2% vs 0.2%)。
GUSTO基準による中等度出血(0.6% vs 0.4%),輸血(0.7% vs 0.6%)についても結果は同様であった。ただし,GUSTO基準による軽度の出血はcangrelor群で有意に増加した(16.8% vs 13.0%:1.35;1.26-1.45,P<0.0001)。
ACUITY基準による重大な出血も同群で有意に増加(4.2% vs 2.8%:1.53;1.34-1.76,P<0.0001)し,5cm以上の血腫を除外しても有意であった(1.3% vs 1.0%:1.38;1.09-1.74,P=0.0071)
[二次エンドポイント]
48時間後のST(0.5% vs 0.8%:0.59;0.43-0.80,P=0.0008),48時間後の死亡+MI+虚血による再血行再建術(3.6% vs 4.4%:0.81;0.71-0.92,P=0.0014)のリスクは,cangrelor群が有意に低かった。
30日後のSTも同様の結果であった(0.9% vs 1.3%:0.69;0.54-0.88;P=0.0027)。
[その他]
全死亡は48時間後(0.3% vs 0.4%),30日後(1.1% vs 1.1%)ともに有意差を認めなかった。
一次エンドポイントにおけるサブグループ解析(ベースライン時のバイオマーカー高値例,糖尿病,75歳以上など)の結果も変わらず,PCI適応疾患(STEMI,NSTE-ACS,安定狭心症)とcangrelorの治療効果との交互作用は認められなかった(P=0.8663)。
治療による重篤な有害事象は両群で同等であったが(ともに2.2%),呼吸困難の発生率はcangrelor群が高かった(1.1% vs 0.4%,P<0.0001)。
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