[一次エンドポイント]
個別患者データが報告された8試験・2,000例(NPガイド群1,006例,臨床ガイド群994例)の解析で,全死亡リスクはNPガイド群が有意に低かった(172例 vs 207例:ハザード比0.62;95%信頼区間0.45-0.86,P=0.004)。
試験間の異質性もEFの交互作用も認められなかったが,年齢の交互作用は認められた(<75歳[982例]:0.62;0.45-0.85,P=0.004),≧75歳[1,018例]:0.98;0.75-1.27,P=0.96):年齢と治療効果の交互作用P=0.028。
統合データを報告した2試験を含めた解析も,同様の結果であった(P=0.045)。
[二次エンドポイント:心不全による入院など]
個別患者データが報告された9試験・2,151例の解析で,心不全による入院(0.80;0.67-0.94,P=0.009),心血管疾患による入院(0.82;0.67-0.99,P=0.048)リスクはNPガイド群が有意に低く,試験間の異質性,年齢,EFの交互作用は認められなかった。
[NT-proBNPの変化]
試験終了時のNT-proBNP値が得られたのは1,313例(668例,645例)。
NT-proBNP値は両群で同等に低下し(35% vs 31.5%),低下率は<75歳(43.4% vs 40.8%)のほうが≧75歳(26.4% vs 19.9%)より大きかったが(P<0.001),年齢と治療の交互作用は認められなかった(P=0.38)。
クレアチニン(713例,683例)は両群で同等に上昇(+0.142mg/dL vs +0.144mg/dL)。
[治療薬の変化]
ACE阻害薬/ARBの投与量はNPガイド群で増加,臨床ガイド群では変わらなかった(+8.4% vs -1.2%;P=0.007)。年齢の有意な影響が認められた(<75歳:+11.7% vs +4.3%;≧75歳:+5.2% vs -6.7%;年齢の比較P=0.006)。
β遮断薬の投与量は両群で同等に増加したが,<75歳(+16.1% vs +15.0%)のほうが≧75歳(+9.1% vs +11.9%)より増加が大きかった(年齢の比較P=0.037)。
ACE阻害薬/ARB,β遮断薬,ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬の増量は全死亡の低下と有意に関連した(すべてP<0.001)。
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