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CVD,死亡の危険因子としてのAFの性差
meta-analysis

因果関係を確立するには詳細な検討が必要であるが,心房細動は女性において男性よりも強力な心血管疾患および死亡の危険因子である。
Emdin CA, et al. Atrial fibrillation as risk factor for cardiovascular disease and death in women compared with men: systematic review and meta-analysis of cohort studies. BMJ. 2016; 532: h7013. PubMed

コメント

心房細動の女性は心原性脳塞栓症のリスクが高いことは,CHA2D2Vascスコアに性別が組み込まれていることからも明らかであるが,今回のメタ解析で,心房細動の女性は死亡率も心血管疾患のリスクも高いことが示された。これまで個別の解析ではパワー不足のため確実な結論が得られていなかったが,今回のメタ解析は437万人(心房細動患者6.6万人)を対象とした膨大なものであり,その結論は重みがある。しかし,その原因は全く不明で,(1)女性は未治療が多い,(2)出血しやすいなどの理由もあげられているが,確実ではない。いずれにせよ,女性こそ積極的に介入が必要であることを示唆しているが,日本人でも同様か検証する必要があろう。(

目的 心房細動(AF)は男女を問わず脳卒中や死亡リスクと関連するが,心血管疾患(CVD)の危険因子とCVDの関連度には性差があるという報告は増えており,喫煙,糖尿病と冠動脈疾患リスク,糖尿病と脳卒中リスクの関係は女性のほうが男性より強いことが示されている。しかし,AFにそのような性差が存在するかどうかは不明である。
AFがCVDおよび死亡に及ぼす影響を男女別に推定し,リスクを男女間で比較するため,コホート研究のメタ解析を実施した。
対象 30研究・437万1,714人(うちAF患者66,511例)。1966年1月-2015年3月に発表されたコホート研究で,少なくとも年齢とCVDで調整したAFとCVD(全死亡,心血管死,致死的・非致死的脳卒中,心イベント[心臓死,非致死的心筋梗塞の複合],心不全,末梢動脈疾患[PAD],慢性腎臓病[CKD])の関連性が男女ともに報告され,対象がAF患者≧50例,非AF患者≧50例,追跡期間中央値≧6ヵ月のもの。
除外基準:術後のAFを評価した研究。
方法 Medline,Embaseを検索し(1966年-2015年3月),参考文献も調査。
男女別の関連性が報告されていない研究については,著者に連絡して未発表の男女別データを取得した(10研究)。
結果 [AFと全死亡,CVDの関係の男女差]
全死亡(14研究)は18,563件,心血管死(4研究)は7,702件,脳卒中(11研究)は83,030件,心イベント(6研究)は3,583件,心不全(3研究)は27,468件発生。
AFとPAD,CKDの関連の男女差を報告した研究はなかった。
AF患者の非AF患者とくらべた全死亡リスクは,女性(相対リスク1.69;95%信頼区間1.50-1.90)のほうが男性(1.47;1.32-1.65)より高かった(女性 vs 男性の相対リスク比1.12;95%信頼区間1.07-1.17)。研究間の異質性は女性(I ²=91%),男性(I ²=89%)ともに高かったが(P<0.001),相対リスク比の有意な異質性は認められなかった(I ²=2%)。
脳卒中(1.99;1.46-2.71,I ²=73%),心血管死(1.93;1.44-2.60,I ²=8%),心イベント(1.55;1.15-2.08),心不全(1.16;1.07-1.27)のリスクも女性のほうが高かった。
1,000人・年あたりの男性にくらべた女性のAFによる絶対リスク増加は,全死亡1.8(95%信頼区間1.1-2.6),心血管死4.3(1.9-7.5),脳卒中3.1(1.1-6.1),心イベント0.6(0.03-1.3),心不全6.1(2.1-12.7)。

[感度分析]
全死亡の相対リスク比は,AFの検出法(ECG vs カルテ・自己報告),地域(欧州 vs 非欧州),症例数(>10万人 vs ≦10万人),登録年(1990年以前 vs 1991年以降),死亡率比の有意な影響はみられなかったが,追跡期間が長いほど,また年齢の増加に伴い低下した。

[出版バイアス]
全死亡では認められなかったが,脳卒中で有意な出版バイアスが認められた(P=0.002)。trim and fill法で補正した結果,女性での脳卒中リスクの増加は有意ではなくなった(1.28;0.94-1.73)。

(収載年月2016.08)
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