対象 |
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3,023万3,329人・228コホート研究。≧3群に層別したBMIと全死亡の関係の調整相対リスク推定値(ハザード比あるいはリスク比)が報告された一般住民対象のコホート研究。
除外基準:患者(糖尿病・心血管疾患など),介護施設入居者での研究,調整リスク評価あるいは信頼区間のない研究,肥満者あるいは診断例での研究など。
■参加者背景:参加者数(<1,000人;15研究,1,000-<10,000人;92研究,10,000-<10万人;89研究,10万-<100万人;20研究,≧100万人;12研究),地域(北米:非喫煙者22研究,全例70研究,欧州:18研究,96研究,アジア:11研究,49研究)。
平均追跡期間は全例13.8年,非喫煙者14.2年。 |
結果 |
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[非喫煙者(>997万6,077人・53研究)]
死亡は>738,144例。
BMI 5kg/m²増加ごとのサマリーRRは1.18(95%CI 1.15-1.21);I ²=95%,異質性P<0.001。
BMIと死亡の関係はJ字型(非線形,P<0.001)で,死亡率が最も低かったのはBMI 23-24kg/m²。関係に性差はなく,出版バイアスはみられなかった。
非喫煙・健康者(727,687人・26研究)では,死亡は>74,464例。
BMI 5kg/m²増加ごとのRRは1.21(1.18-1.25);I ²=93%,異質性P<0.001。
BMIと死亡の関係はJ字型(非線形,P<0.001)で,死亡率が最も低かったのはBMI 22-23kg/m²。
追跡期間早期(1~6年)を除外した非喫煙・健康者(119万2,443人・11研究)のサマリーRRは1.27(I ²=89%,異質性P<0.001)。
[全例(3,023万3,329人・228研究)]
死亡は>374万4,722例。
BMI 5kg/m²増加ごとのRRは1.05(1.04-1.07);I ²=97%,異質性P<0.001。
BMIと死亡の関係はU字型(非線形,P<0.001)で,死亡率が最も低かったのはBMI 25kg/m²。
[現喫煙者,元喫煙者,喫煙歴がある者]
死亡は現喫煙者(391万1,812人・22研究):>270,620例,元喫煙者(152万3,435人・17研究):>126,786例,喫煙歴あり(661万6,140人・24研究):>696,134例。BMIと死亡の関係はいずれにおいてもU字型(非線形,P<0.001)。
[サブグループ]
非喫煙者で結果に差がみられたサブグループは,追跡期間のみ(P=0.02)。
≧20年の研究に限定すると,BMI 20-22kg/m²の死亡リスクが最も低く,正常高値(24-<25kg/m²)でやや上昇,過体重,肥満,重篤な肥満では顕著なリスク上昇がみられた。
一方,全例では追跡期間(P<0.001),地域(P=0.04),死亡例数(P<0.001),研究の質(P=0.03)による有意な違いが認められた。また1日の喫煙本数を調整した研究でBMIと死亡の関係がより強く示され,未調整の研究との有意な異質性がみられた(P<0.001)。同様に,糖尿病,冠動脈疾患(P=0.003),脳卒中(P=0.07)で調整すると,有意な異質性が示された。
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