[一次エンドポイント]
死亡率は16%。高齢者ほど高く,女性のほうが男性より低かった(14% vs 16%)。
β遮断薬群はプラセボ群にくらべ有意に低かった(13.7% vs 18.0%:調整ハザード比[HR]0.70[95%信頼区間0.64-0.77],P<0.001;NNT=23)。
[年齢別解析]
全死亡に対するβ遮断薬の有効性に年齢による違いはなく(Q1群:0.66[0.53-0.83],Q2群:0.71[0.58-0.87],Q3群:0.65[0.53-0.78],Q4群:0.77[0.64-0.92];交互作用P=0.10),性差もみられなかった(各群の交互作用:P=0.70,0.66,0.09,0.54)。
[その他]
心血管(CV)死に対するβ遮断薬の有効性は,加齢に伴い弱まった(各群の調整HR:0.66,0.70,0.59,0.81;交互作用P=0.04)。
心不全による初回入院(0.59,0.65,0.68,0.78;P=0.05),CVイベントによる初回入院(0.65,0.78,0.74,0.92;P=0.04),CVイベントによる死亡・入院(0.66,0.78,0.73,0.87;P=0.03),CV死・心不全による入院(0.66,078,0.72,0.89;P=0.03)も同様の結果であったが,心筋梗塞と脳卒中については全例,年齢別・男女別のいずれにおいてもβ遮断薬の有効性は認められなかった。
[忍容性]
有害事象による治療中止は治療群(β遮断薬群14.4% vsプラセボ群15.6%),年齢,性別を問わず同等であった。
ただし,心不全の増悪による中止はQ1群で女性のほうが多く(5.4% vs 2.2%),徐脈による中止はQ4群で男性のほうが多かった(0.7% vs 3.5%)。
Clinicaltrials.gov No.:NCT00832442 |