追跡期間は2年(中央値)。
[経大腿TAVI 群 vs SAVR群]
経大腿TAVI群はSAVR群にくらべ下記のリスクが有意に低かった:死亡(絶対効果量[/1,000例]の群間差:-30[95%信頼区間-49--8];エビデンスの確実性:中レベル),脳卒中(-20[-37-1];中レベル),急性腎障害(-53[-62--39];高レベル)。
経心尖TAVI群では有意差はなかったがリスク増加の傾向が示された(死亡:57[-16->153];中レベル;交互作用P=0.015,脳卒中:45[-2-125];中レベル;P=0.012,急性腎障害:23[-10-89];低レベル;P<0.001)。
[TAVI群 vs SAVR群]
TAVI群はSAVR群にくらべ生命を脅かす・障害を伴う出血リスクが低かったが,リスクの低下度は経大腿TAVI群(-252[-293--190];高レベル)のほうが経心尖TAVI群(-194[-240--136];高レベル)より大きかった(交互作用P=0.037)。
またTAVI群は新規発症心房細動リスクが低く(-178[-203--150];高レベル),入院日数も短かった(-4.0[-5--3];高レベル)。
一方,TAVIはSAVRにくらべ下記のリスクが高かった:心不全症状の悪化(NYHA≧III度:18[5-34];中レベル),大動脈弁再インターベンション(7[1-21];中レベル),永久ペースメーカー植込み(134[16-382];高レベル[ただしI ²=88%]),中等度以上の大動脈弁逆流(3試験)(80;高レベル)。
心筋梗塞,健康関連QOLにはTAVI群とSAVR群の差は認められなかった。
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